はや師走。今年も色々なことがあったが、時間だけは猛烈なスピードで過ぎ去っていく。健忘症か認知症か、時間と共に忘れることが多くなった。だが、忘れられないこともある。その一つは警察の“ネズミ取り”に引っかかったことだ。表題はその時の率直な感想だ。ことの経緯を簡単に説明する。買い物を終わって帰宅する途中、幹線道路から20〜30メートルはある左折誘導道路を経て左折した直後、道路の左側に隠れるように待機していた警察官が飛び出してきて車を止められた。警察官曰く「一時停止違反です」。それからあれこれ押し問答した末に、罰金7000円也の違反切符を手渡された。インフレは急騰している。年金の支給額は上がらない。年金生活者には厳しい罰金だ。だが警察権力はそんなことはお構いなしだ。道路交通法という錦の御旗を盾に、一般生活者から現金をむしり取る。この行為は本当に安全運転の意識向上につながるのか。警察権力の乱用ではないのか。警察官のピントは完全に曇っている。そんな気がした。
一時停止違反は事実だ。隠すつもりはない。だが現場は、運転席から見て幹線道路の右折車線に待機する車を確認すれば、左折時の安全は確保される。運転者の目線は自然に右手前方の安全確認に向かう。このため、誘導路脇に設置された一時停止の標識は目に入らない。同じところは何度も通っているが、いつも右折車の確認に意識が集中する。安全確認のためには当然の動きだ。悪く解釈すれば、この現場で一時停止する車は少ないのではないかい。警察官はそのことをよく知っている。かくしてネズミ取りには格好の場所になる。そういえば、私に停止命令を発した警察官は、満面に笑みを浮かべていた。ヘルメットにマスク、メガネをかけていた当人は、笑っていることは気付かれないと思っていたのではないか。だが、目は口ほどにものを言うのだ。「獲物が捕まった」。喜びから思わず表情が緩んだ。眼鏡の奥の目は明らかに笑っていた。
ネズミ取りにはこれまで3回捕まった。今回が4回目だ。過去の違反はスピード違反と駐車違反、もう一つは踏切の一旦停止違反だ。スピード違反は計測結果が提示されるから争いようがない。駐車違反も同様。踏切が閉まる直前に一旦停止を怠った。急いでいた。後ろにパトカーがいたことに気づかなかった。納得の違反だ。だが今回は警察官が一人、隠れるように待機していて捕まった。違反の証拠は警察官の目視だけ。まるで「ノルマを消化するための摘発」、そんな気がした。「切符の受け取りを拒否するとどうなるか」、聞いてみた。答えは「刑事事件として処理する」だと。居丈高にまるで脅迫だ。とても市民の安全を守る警察官とは思えなかった。この警察官を悪者に仕立てるつもりはない。日本全国で同じことが繰り返されているのではないか。法律や制度を盾に、無意識のうちに権力の悪用が横行している。これが日本を覆う危ない空気の一つだ。ちなみに私はいまゴールド免許だ。
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