• 米インフレ期待、ゴールドマン部門再編、シェール大手買収へ
  • オッペンハイマーは来年も強気、企業利益の減少予想
Halal Food Truck at Columbus Circle, New York in August.
Halal Food Truck at Columbus Circle, New York in August.

ニューヨークの街角でよく見かける中東系屋台で、定番メニュー「チキンオーバーライス」の値段が下がってきました。以前は6ドル程度だったものの、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)の間や直後ではインフレ高進を反映して12ドル前後にまで跳ね上がっていました。それが最近では8ドルで提供している屋台もあります。ニューヨーク連銀がこの日発表した調査結果では、1年先のインフレ期待は2021年4月と同水準にまで低下。消費者がインフレ鈍化を肌で感じ、マインドも落ち着きつつあるようです。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

インフレの行方

1年先インフレ期待の中央値は3.4%と、10月の3.6%から低下した。低下は2カ月連続。3年後と5年後のインフレ期待は3%、2.7%と、それぞれ前月から変わらず。消費者の目先のインフレ期待が低下したのは、多くの要因を反映している。ガソリンの予想価格は下落し、家賃と大学教育費の予想価格は2021年1月以来の低水準となった。12日発表予定の11月の消費者物価指数(CPI)は前月比横ばいの予想。前年比では3.1%上昇と、伸び鈍化が見込まれている。

部門再編

ゴールドマン・サックス・グループはプライベートクレジット部門の幹部入れ替えを進めていると、資産運用・ウェルスマネジメント部門を率いるマーク・ナックマン氏が明らかにした。1100億ドル規模の同部門の資産を中期的に倍増させることを目指しているという。ブルームバーグが確認した文書によると、グレッグ・オラフソン氏がオルタナティブ部門の共同プレジデントからプライベートクレジットのグローバル責任者になる。

シェール大手買収へ

米エネルギー資源会社オキシデンタル・ペトロリアムは、テキサス州のシェール掘削会社クラウンロックを買収することで同社と合意した。北米で最も産油量の多い油田地帯で企業統合が活発化しており、現金と株式を合わせた買収の規模は約108億ドル(約1兆5800億円)と評価されている。買収は規制当局の承認を経て2024年1-3月(第1四半期)中に完了する予定。

来年も強気

ウォール街で最も強気なストラテジストの1人は、S&P500種株価指数が来年5200に達し、最高値を更新すると予想している。今年の上昇を言い当てたオッペンハイマー・アセット・マネジメントのチーフストラテジスト、ジョン・ストルツファス氏は、ファンドストラットのトム・リー氏と共に、2024年について最も強気な見通しを示している。両氏のS&P500種目標は8日終値から13%近く上昇することを示唆しており、これまでの最高値を8%以上上回ることになる。

利益大幅減を予想

米企業の利益は10-12月(第4四半期)に落ち込む可能性が高いとの見方を、モルガン・スタンレーのマイケル・ウィルソン氏が示した。回復は2024年になるとしている。同氏は第4四半期利益のコンセンサス予想の「大幅な下方修正」を指摘。来年の利幅拡大の度合いについては、他のストラテジストほど楽観していないと付け加えた。ウィルソン氏は今年の大半で株式に対する弱気姿勢を維持しており、相場が上昇する中でもその姿勢は変えていない。

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