Molly Smith、Craig Stirling

  • 利下げ急がない当局の姿勢の正しさ証明、利下げ観測さらに後退か
  • オーストラリア、日本、ユーロ圏のインフレデータも今週発表
Shoppers and pedestrians on Broadway in the Soho neighborhood of New York.
Shoppers and pedestrians on Broadway in the Soho neighborhood of New York. Photographer: Shelby Knowles/Bloomberg

米連邦準備制度が重視するインフレ指標である個人消費支出(PCE)コア価格指数は1月、1年ぶりの大幅上昇となったとみられる。物価上昇を抑えるための道のりの険しさが浮き彫りになる。

  食品とエネルギーを除いたPCEコア指数は前月比0.4%上昇の見込み。上昇率は過去2年の大半で低下してきたが、1月は昨年12月に続く2カ月連続の上昇となったと予想される。

  このデータを3カ月または6カ月ベースで年率換算すると、いずれも2%以上に戻ることになる。昨年12月は当局目標の2%を下回っていた。

  連邦準備制度当局者らは、借り入れコストの引き下げを急ぐ必要はなく、インフレが持続的に後退していると確信が持てるのを待つと強調している。

FOMC、時期尚早な利下げリスク懸念する声が大部分-議事要旨

  29日に発表されるPCEデータはこの姿勢の正しさを証明し、今後数カ月の利下げに対する市場の期待をさらに後退させる可能性がある。

アジア

  オーストラリアと日本でもインフレデータが発表される。

  オーストラリアの1月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比3.5%上昇に加速が見込まれている。

  27日発表の日本の1月全国消費者物価指数(CPI)ではインフレ率が1.8%に鈍化し、2022年3月以降で初めて日本銀行の目標である2%を下回る可能性がある。

東京消費者物価1年8カ月ぶり2%割れ、宿泊が下押し圧力に拍車

欧州

  3月1日にはユーロ圏のインフレ率が発表され、世界の物価上昇の強さを見極める上で重要な週を締めくくる。

  イタリアは同日に、フランス、スペイン、ドイツは前日に国別の指数を発表する。

  ユーロ圏全体の総合インフレ率は2.5%、エネルギーなどの変動要素を除いたコアインフレ率は2.9%上昇が予想されている。

  これらの数字は3月7日に政策決定を発表する欧州中央銀行(ECB)当局者らの判断材料になる。

原題:Fed’s Favored Inflation Gauge Seen Rising Most in Year: Eco Week(抜粋)