杉山健太郎

[東京 27日 ロイター] – 政府は27日、新しい資本主義実現会議を開き、物価上昇を上回る持続的な賃上げを定着させるための方策について議論した。討議の内容を踏まえ、今春にも「新しい資本主義」の実行計画を改定する。

岸田文雄首相は「日経平均株価が史上最高値を更新し4万円台も視野に入ってきた。今こそデフレ心理とコストカットの縮み志向経済から完全に脱却し、好循環を実現する経済を目指していく」と述べた。

企業の付加価値向上と価格転嫁のあり方、人手不足への対応、労働移動の円滑化のあり方などが討議のポイントとなった。

岸田首相は、労働市場改革を進め、能力のある若手や労働意欲のあるシニア層に企業が労働機会を提供できるようにすると指摘。ジョブ型人事については個社のスタイルに合わせて検討できるよう、導入のプロセスや内容に関する指針を取りまとめると表明した。

新しい資本主義の実行計画は状況に応じて見直している。次回の実現会議は、デフレ脱却後の金融環境変化に伴う新たな成長型経済の課題と方向性を議論する予定。