Bailey Lipschultz

  • SPACとの合併によるIPO、株価は一時59%近く上昇後に失速
  • 6カ月のロックアップ、トランプ氏はすぐには株式を売却できない

トランプ前米大統領が立ち上げたソーシャルメディア運営企業の株価は、上場初日の取引を16%高で終えた。ここ数年で最も注目された特別買収目的会社(SPAC)との合併を経て、同氏の資産は少なくとも書面上では数十億ドル拡大した。

  26日の米株式市場でトランプ・メディア・アンド・テクノロジー・グループは一時59%近く上昇。その後は上げ幅を大きく縮小した。ソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル」を運営する利益実績のないトランプ・メディアは、SPACのデジタル・ワールド・アクイジションとの合併により上場。一連の裁判費用で資金繰りに苦労するトランプ氏に棚ぼた利益をもたらす。

  証券取引委員会(SEC)への届け出によれば、トランプ・メディア株の60%近くをトランプ氏が保有しており、最終的に保有株の価値は60億ドル(約9100億円)を超える可能性がある。しかし上場から6カ月のロックアップ期間が設けられているため、トランプ氏は当面株式を売って利益を手にすることができない。また含み益のうち最大16億ドル相当は、株価が一定の基準を達成することが前提となっている。

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原題:Trump Media Climbs 16% to $7.9 Billion Post-SPAC Deal Valuation(抜粋)