Rita Nazareth

  • テスラやエヌビディアが買われる、ミーム銘柄も連日の大幅高
  • 米国債利回り低下、予想上回るPPI発表直後は大きく上昇
S&P 500 Fluctuates With The Stock Market Set For More Instability
Photographer: Michael Nagle/Bloomberg

14日の米株式相場は上昇。大手テクノロジー株が買われ、S&P500種株価指数は最高値に接近した。15日に発表される米消費者物価指数(CPI)で金融当局の次の動きに関する手掛かりを得たいというムードも強かった。

株式終値前営業日比変化率
S&P500種株価指数5246.6825.260.48%
ダウ工業株30種平均39558.11126.600.32%
ナスダック総合指数16511.18122.940.75%

  この日発表された4月の米生産者物価指数(PPI)は、前月比の伸びが市場予想を上回ったものの、米金融当局が重視する個人消費支出(PCE)価格指数の算出に用いられる主要カテゴリーは比較的落ち着きを示した。パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長は、政策金利をより長期にわたって高水準に維持する必要性を強調した。

米PPI、4月は予想上回る伸び-一部の主要項目は落ち着き示す (3)

パウエル議長、米金利をより長期に高水準で維持する可能性示す (3)

  エバコアのクリシュナ・グハ氏は4月PPIについて「細部をより詳しく見ると、PCE価格指数の算出に用いられる項目は強弱入り交じったシグナルを発している」とし、「このことは15日発表のCPIに引き続き大きなウエートがかかっていることを意味する」と述べた。

  4月の米コアCPIは前月比ベースで半年ぶりの鈍化が予想されており、物価上昇圧力が再び緩和し始めるとの期待をもたらす可能性がある。前年同月比では3.6%上昇が見込まれている。予想通りとなれば3年ぶりの低い伸びとなるが、利下げ実施にはなお高過ぎる。 

  BNPパリバのアンドルー・シュナイダー氏は「米金融当局はこの緩やかな進展を歓迎するだろう。しかし、インフレに関する慎重姿勢は維持すると思われる。利下げを真剣に検討するには、データの改善を数カ月確認する必要があるだろう」と述べた。

  アメリプライズのアンソニー・サグリンビーン氏は「市場関係者は4月のインフレ鈍化を予想している」と発言。「わずかな減速であったとしても、市場はインフレ鈍化傾向が維持されていること、そして重要なのは、インフレが反転上昇する過程にないことを示すさらなる証拠を探す」と話した。

  S&P500種は5247近くで終え、3月28日に付けた終値ベースの最高値(5254.35)まで数ポイントに迫った。

  大手ハイテク7銘柄「マグニフィセント・セブン」のうち、テスラとエヌビディアが上げをけん引する展開となった。ビデオゲーム小売りのゲームストップと映画館チェーンのAMCエンターテインメント・ホールディングスは前日に続く大幅高。ミーム株投資家の熱狂が復活している。

  バンク・オブ・アメリカ(BofA)のストラテジスト、マイケル・ハートネット氏は、米利下げへの期待から投資家の楽観は2年半ぶりの高水準に達しているが、スタグフレーションのさらなる兆候が現れれば株価は下落するとの見方を示した。

株高はスタグフレーションのリスクにさらされている-ハートネット氏

  ニューヨーク外国為替市場では、円が対ドルで一時0.3%下落し、1ドル=156円74銭を付けた。米PPIが市場予想を上回る伸びとなり、ドル買いが一時入ったことが影響した。

為替直近値前営業日比変化率
ブルームバーグ・ドル指数1252.16-1.60-0.13%
ドル/円¥156.44¥0.220.14%
ユーロ/ドル$1.0820$0.00300.28%
  米東部時間16時41分

  パウエルFRB議長は、次の動きが利上げになることは想定していないとあらためて発言。インフレに関して忍耐強くあるべきだとしたほか、市場予想を上回ったPPIについては「強弱入り交じっている」と指摘した。

  ドルは円を除く他の主要10通貨の全てに対して下落した。ブルームバーグのドル指数は約1週間ぶりの安値となった。

  ユーロはドルに対して上昇。一時0.3%高の1ユーロ=1.0826ドルと、4月10日以来の高値を付けた。

  米国債相場は上昇(利回り低下)。市場予想を上回るPPIの発表直後は利回りが大きく上昇したが、その後に低下。翌日にCPI発表を控える中、午後に入って利回りの低下幅が拡大した。

国債直近値前営業日比(BP)変化率
米30年債利回り4.59%-3.9-0.83%
米10年債利回り4.44%-4.3-0.96%
米2年債利回り4.82%-4.2-0.87%
  米東部時間16時41分

  ニューヨーク原油先物相場は下落。米経済指標でインフレの根強さが示され、金融当局は年内利下げを急がないとの見方が強まった。

  石油輸出国機構(OPEC)と非加盟産油国で構成する「OPECプラス」の一部主要国が、生産枠引き上げを目指して生産能力評価の上方修正を望んでいるとのブルームバーグの報道も売り材料視された。

OPECプラス、生産能力と対峙へ-昨年はアンゴラ中心に議論紛糾

  OPECプラスは石油市場の供給超過を減らし価格を押し上げる目的で、原油生産を抑制してきた。

  しかし、メンバー国が実際にどれだけの生産能力を有しているのかという問題に再び向き合う構えだという。OPECプラスは、メンバー国の生産能力について6月末までに調査をまとめるよう外部のコンサルタントに委託。関係者によれば、アラブ首長国連邦(UAE)とカザフスタン、イラク、クウェート、アルジェリアなどについて、来年の生産枠引き上げの可能性が調査されている。

  これとは別に、朝方発表されたOPEC月報では、OPECプラスのうち現行の生産抑制に参加している8カ国は、先月の産油量が合計で日量約3110万バレルと、合意された生産枠を同56万8000バレル上回った。6月1日に開かれる会合では、現行の減産体制が延長されると広く予想されている。

  ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物6月限は、1.1ドル(1.4%)安の1バレル=78.02ドルで終了。ロンドンICEの北海ブレント7月限は1.2%下落の82.38ドルで引けた。

  金相場は反発。PPI発表直後は伸び悩む場面もあったが、すぐに再び買い優勢となった。

  サクソバンクの商品戦略責任者オレ・ハンセン氏はPPIについて、予想を上回ったものの金相場の勢いを止めるほどではなかったと指摘。「現時点でボートを揺らすには十分ではなかった」とした上で、金相場の次の動きで本当に重要なのは明日のCPIだと述べた。

  金相場は中央銀行による金購入や中東の地政学的リスクの高まりを受けた逃避需要に支えられている。経済の先行き不安などで金への投資意欲が高まっている中国からの需要増大も強材料だ。

  金スポット価格はニューヨーク時間午後2時現在、前日比19.64ドル(0.8%)高の1オンス=2355.96ドル。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物6月限は16.90ドル(0.7%)高の2359.90ドルで終えた。

原題:S&P 500 Gets Close to All-Time High Before Key CPI: Markets Wrap(抜粋)

Stocks Get Closer to All-Time High Before CPI Data: Markets Wrap

Dollar Treads Water Above One-Week Low After Powell: Inside G-10

Treasuries Add to Gains in Late Session as Post-PPI Drop

Oil Declines as US Inflation Data Remains Stubbornly Elevated

Gold, Platinum Rise Despite Surprise in US Inflation Data