• ダウ平均が一時4万ドル台、「マグニフィセント7」で利益確定
  • ミーム復活を先取り、NYとクリーブランドの連銀総裁、緩和し過ぎ
A statue of U.S. President George Washington near the New York Stock Exchange in New York, U.S.
A statue of U.S. President George Washington near the New York Stock Exchange in New York, U.S. Photographer: DANIEL ACKER

米国を代表する株価指数として明治29年(1896年)から算出されているダウ工業株30種平均が、歴史的な瞬間を迎えました。終値で3万ドル台に乗せた2020年11月からは、4年足らずで次の大台到達です。年内利下げ観測が勢いを取り戻したことが背景にあるようですが、楽観を警戒する声も聞こえてきます。終値では大台に届きませんでした。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

「根拠なき熱狂」

ダウ工業株30種平均が取引中に初めて4万ドルを超えた。年内の米利下げ観測が続く中で、株式相場は堅調を維持した。インディペンデント・アドバイザー・アライアンス(IAA)のクリス・ザッカレリ最高投資責任者(CIO)は、大台の数字は強気派に「心理的な浮揚効果」を与えるに過ぎないと指摘。「今の市場は強気相場であり、(ミーム株など)根拠なき熱狂のようなものがみられる」と解説した。

「7強」に売り

資産家スタンレー・ドラッケンミラー氏とデービッド・テッパー氏の投資会社はいずれも、今年の米株高を推進してきた「マグニフィセント・セブン」と呼ばれる大型ハイテク株を売って利益を一部確定した。ドラッケンミラー氏のデュケーヌ・ファミリーオフィスは1-3月(第1四半期)に44万1000株余りのエヌビディア株を売却し、持ち分は約1億5900万ドル(約246億円)相当になった。テッパー氏のアパルーサはアマゾン・ドット・コムとマイクロソフト、メタ・プラットフォームズの持ち株を減らした。いずれも規制当局への届け出文書で明らかになった。

ブーム先回りか

今月死去したジム・シモンズ氏が創業したクオンツヘッジファンド運営会社ルネサンス・テクノロジーズは、ミーム株の熱狂が最近息を吹き返す前に、代表銘柄であるAMCエンターテインメント・ホールディングスとゲームストップを大量に買っていたことが分かった。規制当局への提出文書によると、ルネサンスは1-3月(第1四半期)にAMC株を382万株購入し、持ち分を増やした。ゲームストップ株も100万株買った。AMCとゲームストップの株価は今週初めに2倍を超える急騰を演じ、2021年のミーム株熱狂をほうふつとさせた。

より長く

ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は、最新の米インフレデータは物価上昇圧力が徐々に和らいでいることを裏付けているが、金利を調整するにはさらなる証拠が必要だと指摘。ロイター通信とのインタビューで「今、金融政策のスタンスを変える理由があることを示す指標は見当たらない」と述べた。クリーブランド連銀のメスター総裁はインフレが米金融当局の目標である2%に向かう道筋にあるとの確信を得るには、さらなるデータが必要だとの見解を示した。政策金利をより長く高水準に維持するべきだと示唆した。

6月にも

元日本銀行調査統計局長の関根敏隆一橋大学国際・公共政策大学院教授は、日本の金融緩和度合いの大きさを踏まえれば、日銀が政策調整を進めることは自然であり、状況が許せば6月の金融政策決定会合での追加利上げもあり得るとの見解を示した。テイラー・ルールとのかい離や実質金利の大幅なマイナスを考えれば、日本は「金融緩和のし過ぎだ」と主張。日銀の金融政策運営は「機会が許せば少しずつ金利を引き上げていくオポチュニスティック(機会主義的)なアプローチになる」とみる。

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