カナダの主要都市・トロント、中心部にあるセント・ポール選挙区で24日実施された補欠選挙で、野党・保守党が勝利した。ブルームバーグ(B B)によると同選挙区は「1993年以来、与党・自由党が毎回議席を維持してきたいわば牙城」だという。カナダは来年総選挙を控えている。B Bは「(今回の選挙結果は)トルドー首相には大きな打撃となる』と伝えている。カナダの政情に関する知識はまったくない。この記事を読みながら「どの国も激しい変化にさらされている」という思いを強くした。7日投開票の都知事選挙でも「ひょっとして」、そんな期待感をちょっとだけ抱かせてくれた。もう一つこの記事で思い出したのは、カナダのバイオマス発電をめぐる巨木伐採の是非だ。カナダは再生可能エネルギーの一つ、バイオマス発電用の燃料となる木材チップを生産している有力国でもある。日本が輸入しているチップの3分の1はカナダ産だ。政治の変化はチップの生産にも影響が出るのだろうか。

「バイオマス発電が原生林を破壊する」、YAHOOニュースが21日に配信した記事のタイトルだ。著者は森林ジャーナリストの田中淳夫氏。記事の書き出しは「先日、二人の森林生態学者、スザンヌ・シマード氏とレイチェル・ホルト氏が来日して、カナダのブリティッシュ・コロンビア州で原生林が伐採され、木質ペレットが生産されている事態を各地で訴えた」。2人とも著名な森林学者。シマード氏の著作「マザーツリー」は、樹木たちがまるで意志を持っているかのようにコミュニケートしている実体を描き出している。2023年に日本が輸入した木質ペレットの総量は580万トン。このうちの160万トン弱がカナダ産だ。ちなみに第1位はベトナくの260万トン、第3位が米国kの130万トン。田中氏によると「カナダの輸出先は、日本が全体の半分以上を占め、次にイギリス、そして韓国と続く」と指摘する。

樹木は二酸化炭素を吸収する。だからカーボンニュートラルの優等生というわけだ。しかし、燃やせば吸収した二酸化炭素を排出する。プラスマイナスゼロだから、ニュートラルということになるのだろう。そんなことを言い出せば石炭だって樹木が地中に堆積し、長い年月をかけて岩石のように硬くなったものだ。プラスマイナスは同じなのだが。石炭は地球温暖化対の大敵。一方の樹木は脱炭素の推進役として期待されている。なぜ、初歩的疑問はいまだに解決しないのだが、日経新聞の2年前の記事を読むと「一部の科学者は、エネルギー源として木材を燃やすことの環境面での信頼性に懐疑的な見方を強めている」とある。さもありなん。それよりも個人的には、再生可能エネルギーとして認知されているマイオマス発電の燃料に木質パレットを使うということは、世界中の森林破壊につながる気がする。こっちの方が目先地球環境への影響が大きいのではないかという気がするのだが・・・

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