立憲民主党の枝野前代表は、記者会見し「古い政治に終止符を打ち、新しい時代へ向かって進む時だ」と述べ、来月行われる党の代表選挙に立候補することを正式に表明しました。

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立憲民主党の枝野前代表は、21日午後、国会内で記者会見し、来月23日に投開票が行われる党の代表選挙に立候補することを正式に表明しました。

そして「歴史的な円安と物価高は国民生活に大きな打撃を与えている。経済も大きく混乱しているにもかかわらず、政治不信が高まり、歴史的な変化に対応できていない」と指摘しました。

その上で「人口減少が進む中、アベノミクスのあとの日本経済をどう立て直すのか、与野党を超えて問われている。今こそ『失われた30年』と呼ばれる長期の低迷をつくりだした古い政治に終止符を打ち、新しい時代へと向かって進む時だ」と述べました。

また、今後の党のあり方について「これまで自民党を支持してきた人を含めて幅広く民意を包摂できる『国民政党』にならなければならない。最大野党が単独政権を目指す姿勢がなければ与野党伯仲に持ち込むことはできない」と述べました。

さらに、ほかの野党との連携については「再構築する。全国一律で他の政党との関係を結ぶようなやり方はせず、地域ごとにいろんな経緯や信頼関係に基づいて連携する」と述べました。

政策面では「人間中心の経済」を掲げ、国公立大学の授業料の段階的無償化や、大学の基礎研究の助成などを大幅に引き上げること、それに消費税5%分の実質的な減税策として、中間層までを対象にした「給付付き税額控除」を創設することを打ち出しました。

外交・安全保障では、日米安全保障体制を基軸とし、自衛官の処遇改善などにより防衛力の実効性を高めるほか、エネルギー政策では原子力エネルギーに依存しない社会を目指すとしています。

そして「この3年間の泉代表の努力に敬意を表するが、この国のあるべき姿や党が進むべき道を自信を持って掲げていくことが私の役割だ。民主党政権の最大の失敗の原因は経験不足にあり、失敗を繰り返さないためには政権運営の経験値こそ重要だ」と述べました。

今回の代表選挙に立候補を表明したのは、枝野氏が初めてです。

枝野氏のこれまでの経歴は

枝野幸男氏は衆議院埼玉5区選出の当選10回で、60歳。

弁護士で、1993年の衆議院選挙に、当時の日本新党から立候補して初当選しました。

かつての民主党政権では、官房長官や経済産業大臣、それに党の幹事長など要職を歴任しました。

2017年に、所属していた民進党が東京都の小池知事が立ち上げた希望の党への合流をめぐって分裂すると、立憲民主党を結党して代表に就任し、直後の衆議院選挙で野党第1党の議席を獲得しました。

立憲民主党はその後、当時の国民民主党と合流し、社民党の一部の議員も入党するなど、勢力を拡大しましたが、前回・3年前の衆議院選挙で議席を減らした責任をとって代表を辞任しました。

今回の代表選挙では、今月9日にいち早く立候補の意向を明らかにし、「逃げることなく時代の転換の先頭に立つのがわたしの使命だ」と述べました。

カラオケ好きは永田町でも有名

枝野氏は、高校まで合唱部に所属し、カラオケ好きは永田町でも有名です。

演説の際には、聞いている人に思いが伝わるよう、歌うように語りかけることを心がけているということです。

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