▽自民党総裁選 26日の動き 記者会見やテレビ出演、会合など<NHK>2024年8月26日 22時28分

 自民党総裁選

岸田総理大臣の後任を選ぶ自民党の総裁選挙は、26日午後、河野デジタル大臣が立候補することを表明しました。党内で候補者は過去最多となる可能性を指摘する声も出るなど、混戦の様相が強まっています。

総裁選挙をめぐる26日の動きや発言です。

河野デジタル相「この国をさらに前に進めたい」

河野デジタル大臣は記者会見し、総裁選挙に立候補することを表明しました。総裁選挙には3回目の挑戦となります。

この中で河野氏は「さまざまなところで直面している有事を乗り越えるため、これまでの経験を生かして日本のリーダーとしてこの国をさらに前に進めたい」と述べました。

その上で「日本の果たすべき責任や役割は何なのか、明確に主張すると同時に行動に移さなければならない。次の総理大臣たる自民党の総裁を選ぶ選挙で、世界の形をしっかりと議論しなければならない」と述べました。

また、政治とカネの問題をめぐっては「捜査当局的には終わったのかもしれないが、国民から見てけじめがついたと言えるのか」と指摘し、さらに政治改革を進めていく考えを示しました。収支報告書に不記載があった議員には、不記載額と同額を返還するよう求め、返還に応じた議員は、次の選挙で党の公認候補にすると説明しました。

エネルギー政策については、「当初の予想では人口減少と省エネの進展で電力需要は縮んでいき、再生可能エネルギーを今の2倍のペースで導入できれば需要と供給が合うと思っていた。しかし、最近の電力需要の急速な伸びで原発を再稼働しても足りなくなる。日本としてできることは何でもやっていく必要が当面はある」と指摘しました。

林官房長官「しかるべく決断をしたい」

林官房長官は26日午後、自民党の根本元厚生労働大臣や小野寺元防衛大臣ら旧岸田派出身の議員を中心としたおよそ20人と国会内で会合を開き、総裁選挙への対応を協議しました。

このあと林官房長官は記者団に対し「総裁選挙への意向を固めつつある。多くの声が『立つべし』ということだったので、しかるべく決断をしたい」と述べました。

その上で「野党時代に総裁選挙に立候補したが、今、自民党はそれに匹敵する厳しい状況だ。官房長官として総理大臣を間近で支え、政権を回していく仕事を経験した。トップでなければできないことがあるので、しっかりと前に進んでいきたい」と述べました。

林官房長官は、台風10号の影響を見極めながら表明の時期を判断する方針です。

菅前首相 党本部で二階元幹事長と会談

菅前総理大臣は26日午後、自民党本部で二階元幹事長と会談し、旧二階派出身の林元経済産業大臣と武田元総務大臣も同席しました。出席者によりますと、総裁選挙をめぐる党内の動向や二階氏が訪問を調整している中国の情勢などについて意見を交わしたということです。

小林鷹之氏「知ってもらえるよう走り回る」

小林鷹之氏は26日午後、党本部で年金制度を議論する党の会合に出席しました。このあと記者団に対し「これまで幅広い政策分野に携わってきたため、自分なりの考えがあり、やり遂げたい政策もある。総裁選挙では時間が許す限り訴えていきたい」と述べました。

その上で「総裁選挙は党の今後がかかった重要な場で多くの方が立候補した上で、骨太の議論を展開することができればいいと思う。知名度ゼロからの出発なので、少しでも多くの方に、自身の存在と考え方を知っていただけるよう走り回っていく」と述べました。

石破元幹事長 選挙の公認 “実績も大事”

石破元幹事長はテレビ朝日の番組に出演し、派閥の政治資金パーティーをめぐる問題で処分を受けた議員を次の選挙で公認候補とするか問われたのに対し、「自民党は独裁政党ではなく、公認候補について議論するのは選挙対策委員会の権限だ。処分や社会的制裁を受けても、支持がどれだけあり、党や国会、政府でどれだけの実績を積んできたかということも大事で、それは『裏金』と言われる人たちだけではなく誰が対象だろうと一緒だ」と述べました。

また、東京都内で防災をテーマに講演し「災害の発生を防ぐことはできないが、そのあとの人災をどう減らしていくかが大事だ。誰がどこでどんな災害に遭っても、同じような対応ができなければ国家の体をなしていない。『防災省』を作り、ありとあらゆる事態に備える体制を作る必要がある」と述べ、政府として災害などへの備えを強化するため「防災省」を設置すべきだという考えを示しました。

このあと石破氏は記者団に対し、復興庁を発展的に改組する形での「防災省」の設置を、総裁選挙で掲げる公約の柱にしたいという考えを示しました。

上川外相「推薦人について目下動いている」

総裁選挙への立候補に意欲を示している上川外務大臣は25日、推薦人確保の状況について「20名をはるかに超える支持をいただいている」と述べました。

これについて26日午前、外務省で記者団から「20人の推薦人を確保できたのか」と質問されたのに対し、上川大臣は「一人一人に体当たりで対応している。たくさんの皆さんから支持をいただき、励まされているところで、推薦人についても目下動いている」と述べました。

その上で、総裁選挙への意気込みを問われ「ハードルがいくつもあることは十分理解している。議員や国民との対話を大事にしており、全力でとにかくまい進していきたいという思いで必死に動いてる状況だ」と述べました。

また、上川外務大臣を支持する議員らが26日夜、議員会館で会合を開きました。小泉法務大臣や盛山文部科学大臣、松島元法務大臣らが出席し、大阪に出張中の上川大臣はオンラインで参加しました。

この中で、上川大臣は「女性初の総理大臣を目指してしっかりやっていきたい。応援の輪をさらに広げてもらいたい」と呼びかけました。会合では、情報交換をするとともに、手分けをして推薦人の確保に向けた働きかけを進めることを確認しました。

会合のあと、牧原秀樹衆議院議員は記者団に対し「われわれは純粋に上川大臣が女性初の総理大臣にふさわしいという熱い思いで集まっている。派閥によらない選挙を展開したい」と述べました。

《野党の反応》

共産 小池書記局長「表紙を変えても 政治の転換はできない」

共産党の小池書記局長は記者会見で「候補者が次々と名乗りを上げているが、岸田総理大臣の退陣のきっかけとなった旧統一教会の問題や『裏金問題』に対して、誰ひとりとして切り込もうとしない。自民党が政権復帰してからの12年間、党幹部や閣僚として政権を支えてきた人ばかりなので、それもそのはずだ。自民党の中でいくら表紙を変えても、結局、政治の転換はできず、政権の行き詰まりを繰り返すだけだ」と述べました。