国連気候変動枠組み条約第29回締約国会議(COP29)が24日に閉幕した。発展途上国の温暖化対策を支援するための資金を3倍に増やすことで合意。NHKによると「焦点となっていた途上国の気候変動対策を支援する資金について、会期を延長した末、合意に達した」という。中身を見ると「2035年までに少なくとも日本円にして46兆円あまりを途上国に対して支援する」との成果文書を採択ししたとある。2026年から10年間で46兆円、単純平均すれば年間4.6兆円だ。数字的にはそれなりの数字に見える。しかし、途上国からは「採択には反対だ」などと非難の声が相次ぎ、NHKは「異例の結末となりました」と総括している。
先進国は、公的資金を含む幅広い資金源を通じて、2035年までに少なくとも年3000億ドル(円換算で約46兆4300億円)を拠出することを約束した。これ以外にも国際社会全体で「年1兆3000億ドルを途上国に支援する」との目標を掲げている。だがこの額は大半が民間資金になる見込みだとある。途上国は何が不満なのか。インド代表は「成果文書は気候変動の重大さに応えておらず、採択には反対だ」と述べている。ナイジェリア代表も「冗談のような金額で問題だ」と非難している。先進国側は「目標額は3倍に増やされ、これは野心的で達成可能だ」(ヨーロッパ連合の代表)と合意の意義を強調している。だが、新興国や発展途上国の不満は解消されなかった。個人的にはC O P自体が、実態の伴わない合意形成優先主義に陥っている気がしないでもない。
C O PがC O2排出削減に向けて具体的な成果を生み出せない中で、米国ではトランプ氏の次期大統領就任が決まった。同氏は折に触れて気候変動問題に異論を指し挟んでいる。次期政権で環境政策を担うE P A(環境保護局)の長官には共和党のリー・ゼルディン氏を指名した。NHKによると同氏は「米国のエネルギー分野での優位性を回復し、自動車産業を活性化させてアメリカの雇用を取り戻す」とSNSに投稿したとある。トランプ氏は選挙中から石油や石炭の規制緩和を主張し、パリ協定からの再離脱を示唆している。世界中が異常気象に伴う大洪水に見舞われる中で、脱炭素を軸にした環境問題の先行きに暗雲が立ち込めている。ただでさえ環境問題に立ち向かうはずのC O Pが形骸化し、C O2排出大国である米国が地球環境に背を向け始めている。地球を救う方策はあるのか、人類は異常気象に備えるしかないのか。暗澹たる気持ちで週明けを迎えた。
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