まずは時事ドットコムに掲載されているニュースの書き出しからの転載。「内閣府が23日発表した国民経済計算の年次推計によると、2023年の日本の国民1人当たり名目GDP(国内総生産、ドル換算額)は、前年比約0.8%減の3万3849ドルだった。経済協力開発機構(OECD)加盟38カ国中22位となり、21位の韓国を下回った」。この記事を見た瞬間、大統領弾劾で揺れる韓国の人たちはよろんでいるだろうなと思った。円安がこれだけ進んでいるのだから、ある意味当然と言えば当然だろう。国民民主党が提案する「手取りを増やす」政策に批判的な政府・自民党。小野寺政調会長は「学生がどうして働くのか」とトンチンカンな主張を展開する。宮沢税調会長は年収500万円の給与所得者の減税額が、年間たった1万円にすぎない控除額の引き上げに固執している。国民に寄り添うはずの石破総理は何ら指導力を発揮しない。韓国に抜かれるのは当然だろう。逆に「韓国頑張れ」と応援したくなる。

ここまではいつもの政府・自民党批判。ここまで書いてはたと気がついた。日本経済がここまで落ちた原因は何だろうか。悪いのはK Yの自民党上層部だけではない。国債の発行残高は普通国債だけですでに1105兆円を超えている。これに政府や地方自治体、各種の債務を合計すれば、日本政府が負っている負債は1300兆円を軽く超えている。国債残高は先行投資でもある。これだけの規模の投資をしても、一人当たりG D PはO E C D加盟国38カ国中22位だ。G D Pの総額もいまやドイツに次いで4位に落ちている。アジアを牽引したかつての経済大国の面影はどこにもない。失われた20年は30年になり、いまや35年になろうとしている。それでもいまだにデフレ経済から脱却できる見通しすらない。唯一の希望は「好循環の兆し」がほのかに見え始めたことぐらいか。その希望も漂うだけの石破政権の無策によって消えさろうとしている。

この間、政治の真只中にいて経済政策を司ってきたのは自民党と公明党である。両党とも先の総選挙で大幅に議席を減らしている。だが、野党も党利党略にこだわるだけで、一向に国民に目を向けようとしない。巷には闇バイトや少女殺害事件など悲惨な事件が相次いでいる。少し前に読んだ投資家・ジム・ロジャーズの著書には次のような一節があった。「現在のような経済状況が続けば、日本全体の生活水準が低下し続ける可能性が高い。そして生活水準の低下が続けば、犯罪率の増加などこれまでとは異なる日本社会が訪れるかもしれない」。政府や与野党の国会議員よりもはるかに日本の将来を心配してくれている。22位は昨年のことだ。昨年よりも円安は進んでいる。今年も来年以降もこの順位はさらに下がるだろう。バブル崩壊以降日本の経済運営は失敗の連続だった気がする。こうなった真の原因は何か、いま必要なことは目の前にいる政治家たちの無能さを批判することではないという気がしてきた。どうしてこうなってしまったのか、何が本当の原因か???