Sridhar Natarajan、Carmen Arroyo、Reshmi Basu
- 不人気だった貸付債権がマスク氏の魅力で買い手を引き付けている
- Xに業績回復の兆し、xAIへのエクスポージャーも得られる
米銀モルガン・スタンレーは数カ月前まで、資産家イーロン・マスク氏による2022年のツイッター(現在のX)買収に絡む数十億ドルの不人気な貸付債権を抱え困っていた。 そんな状況を一変させたのは大統領選であり、マスク氏とトランプ大統領との蜜月関係だ。
2人の特異な関係に加え、テクノロジー業界の大物マスク氏が新たにホワイトハウスで要職に就いたことで、X向け貸付債権に投資家が魅力を感じているとモルガン・スタンレーは察知した。
同行を中心とする銀行団が30億ドル(約4600億円)相当の債権売却に動く中で、Xの財務報告を既に目にした潜在的投資家らは業績回復の兆しを見た。債権を購入すれば、マスク氏の人工知能(AI)プロジェクト、xAIへのXの出資分に対するエクスポージャーも得られる。
事情に詳しい関係者によると、モルガン・スタンレーの売り込み資料には、Xの2024年の調整済みEBITDA(利払い・税引き・償却前利益)が約12億ドルだったという内容が含まれる。選挙関連の話題増加の追い風も反映されており、昨年10ー12月期の売上高が7億1000万ドル、EBITDAは約4億ドルと、前の2四半期を上回る数字が示されている。
こうした業績改善は、過去3年間の大部分でバランスシートを圧迫していた債権売却に銀行団が動き始める道を開く。モルガン・スタンレー主導の売却プロセスに詳しい関係者によると、レバレッジドバイアウト(LBO)ファイナンス関連のこれら債権には、額面1ドル当たり60セント近辺で買いオファーが示されていたが、今は95セント以上の価格で買い取られている。
モルガン・スタンレーの担当者はコメントを控えた。
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原題:Morgan Stanley Rides Musk-Trump Bromance to X Debt Redemption(抜粋)