Viktoria Dendrinou

  • トランプ大統領は米金融当局に利下げを求めていないとベッセント氏
  • エネルギー供給を拡大すればインフレ抑制につながる-FOXに語る

ベッセント米財務長官は5日、FOXビジネスとのインタビューで、借り入れコスト引き下げでトランプ政権が重点を置いているのは米金融当局の短期の政策金利ではなく、米10年債利回りだと語った。

  トランプ大統領が金利低下を望んでいるのかとの質問に対し、ベッセント長官は「彼と私は10年債利回りを注視している」とし、「彼は金融当局に利下げを求めていない」と話した。

  ベッセント長官はまた、エネルギー供給を拡大することがインフレ抑制につながるとの見解をあらためて示した。米労働者にとって、「エネルギーが長期のインフレ期待の最も確実な指標の一つだ」と述べた。

  「このためガソリン価格を下げ、ヒーティングオイル価格を下げることができれば、消費者は節約できるだけでなく、将来に対する楽観的な見方を持つようになり」、近年の高インフレから立ち直ることができると語った。

  ベッセント長官はさらに、パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長率いる金融当局について、「彼らが今後すべきだと私が考えることでなく、彼らが行ったことに関してだけ、私は話すつもりだ」とも発言した。

  これに関連して、米金融当局が昨年9月に0.5ポイントの「大幅利下げ」に踏み切った後、10年債利回りが上昇したことに言及した。

Treasury Yields Have Dropped From Recent Highs

  米金融当局が1月29日、政策金利据え置きを決めた後、トランプ氏は自身のソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル」に「ジェイ・パウエル氏と連邦準備制度はインフレで自分たちがつくり出した問題をストップさせるのに失敗した」としたものの、金利決定についてはコメントしなかった。

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  ベッセント長官はインタビューで、米国の財政赤字を国内総生産(GDP)比3%に削減するのに加え、日量300万バレル相当の原油増産と、3%の持続的経済成長を実現するという、「3-3-3」と呼ぶ政策を重ねて提唱した。

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  一方、イーロン・マス氏率いるトランプ政権の新組織「政府効率化省(DOGE)」による財務省システムへのアクセスに関しては、いかなる支払いを巡ってもマスク氏らが停止の判断を下すことはないとする同省の先の説明を繰り返した。

   インタビューは、トランプ政権1期目でホワイトハウスの国家経済会議(NEC)委員長を務めたローレンス・クドロー氏が行った。

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原題:Bessent Says He, Trump Focus on 10-Year Yields, Not Pushing Fed(抜粋)