Dana Hull

  • 「イーロンは適用法を順守」というのがトランプ氏の回答-報道官
  • 「利益相反の自己判断自体が利益相反だ」-メリーランド大名誉教授

トランプ政権で政府効率化省(DOGE)を率いる資産家イーロン・マスク氏が利益相反に該当するかどうかは、マスク氏自身が判断するとホワイトハウスは5日明らかにした。6社からなるマスク帝国を築いた同氏は、連邦予算を大胆に見直している。

  ホワイトハウスのレビット報道官は記者会見で「この質問はすでにトランプ大統領に向けられた」と述べ、「DOGEが監督している政府契約や資金拠出とイーロン・マスクの間に利益相反が浮上すれば、イーロンはそうした契約への関与を辞退する。重ねていうが、彼はあらゆる適用法を順守している」というのが大統領の回答だったとレビット報道官は述べた。

  「特別政府職員」としてDOGEを率いるマスク氏は、利益相反ルールの対象だが、その執行は主にホワイトハウス高官次第だ。

  同氏の宇宙開発会社スペースXは米航空宇宙局(NASA)や米軍との間で多額の取引がある。同社のロケット発射は米連邦航空局(FAA)が規制する。同氏が最高経営責任者(CEO)を務める電気自動車(EV)大手テスラは、米運輸省道路交通安全局(NHTSA)や証券取引委員会(SEC)など複数の連邦規制当局に調査を受けている。

  メリーランド大学好況政策大学院のドナルド・ケトル名誉教授は「自分が利益相反かどうかを自分で判断するケースは前代未聞だ」と話す。「実際のところ、利益相反の自己判断自体が利益相反だ」と述べた。

  DOGEの創設を命じた大統領令は、「連邦レベルでテクノロジーとソフトウエアを近代化し、政府の効率および生産性を最大限に引き上げる」ことをその責務としている。以降マスク氏はすばやく行動し、人事管理局や一般調達欲、財務省など多数の政府機関にスタッフを送り込んでいる。

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原題:White House Says Musk Will Police His Own Conflicts of Interest(抜粋)