Jaewon Kang
- 今会計年度の純売上高3-4%増と予想、前年度は5%余りの伸び
- 関税の影響はガイダンスに盛り込まず、メキシコや中国の商品に依存
米ウォルマートが20日発表した通期利益見通しは、市場予想を下回った。小売り最大手の同社でも、不透明な経済環境の影響が重しとなっていることが示唆された。
発表によれば、2026年1月通期の調整後1株当たり利益は2.50-2.60ドルと、市場予想平均を下回った。ニューヨーク株式市場で同社の株は一時7%下落した。
ブルームバーグ・インテリジェンスのアナリスト、ジェニファー・バータシャス氏はウォルマートが昔から、年初に慎重な見通しを示しておいて、後にガイダンスを引き上げることが多いと指摘する。
「ウォルマートがやっているのは毎年同じだ」とバータシャス氏。同社のビジネスに何ら新たな脅威は見当たらないと続けた。しかし株価は過去12カ月で77%上昇したため、投資家の期待は高くなっている。
ジョン・デービッド・レイニー最高財務責任者(CFO)はアナリストとの電話会議で、今回のガイダンスは例年と整合するものだが、「消費者の行動や世界経済、地政学的環境に関する不透明感はまだある」と続けた。
ウォルマートは今会計年度の純売上高の伸びを3-4%と予想。前会計年度は5%余りの伸びだった。
レイニーCFOは20日のインタビューで、現在の見通しには関税がもたらし得る影響は含まれていないと説明した。同社は一部食品をメキシコから、電子レンジなど一般商品を中国から輸入する。
小売業界にとって重要なホリデーシーズンを終え、総合大手としてはウォルマートが決算発表のトップバッターとなった。11-1月(第4四半期)の米ウォルマート店舗の既存店売上高はガソリンを除くベースで前年同期比4.6%増と、市場予想を上回った。
原題:Walmart Profit Forecast Falls Short on Slowing Growth (2)(抜粋)