▽石破首相 “新年度予算案の成立後 強力な物価高対策を検討”
石破総理大臣は公明党の斉藤代表と会談し、新年度予算案が成立したあと、コメやガソリンの価格高騰などを念頭に、強力な物価高対策を打ち出す考えを伝えました。
石破総理大臣は25日総理大臣官邸で、公明党の斉藤代表とおよそ1時間、昼食をとりながら会談しました。
この中では、参議院で審議が続いている新年度予算案について、与党が結束して来週31日の年度末までに参議院で再び修正して成立を期すことを確認しました。
そのうえで、石破総理大臣は、予算案が成立したあと、コメやガソリンの価格高騰などを念頭に、強力な物価高対策を打ち出す考えを伝えました。
一方、企業・団体献金の扱いをめぐり、斉藤氏が、国民民主党との間でまとめた規制を強化する法案の概要を説明したのに対し、石破総理大臣は、献金の受け手が限定されることなどを踏まえ「自民党として受け入れることは非常に厳しい」と述べました。

会談のあと、斉藤氏は記者団に対し、物価高対策について「コメの価格高騰で手を打たなければならず、ガソリン税の暫定税率の廃止も1つの項目として意見を交わした。予算案が成立したあと、間を置かずに対策を打ち出す趣旨だと理解した」と述べました。
《物価高について》
林官房長官 “新たな予算措置ではない”
林官房長官は午後の記者会見で「石破総理大臣は、新たな予算措置を打ち出すということを述べたのではなく、新年度予算案などに盛り込んだあらゆる政策を総動員し、物価動向が家計や事業活動に与える影響に細心の注意を払いつつ、物価高の克服に取り組んでいくという決意を示したものだ」と述べました。
一方、ガソリン税の暫定税率の廃止については「課題の解決策や具体的な実施方法など、政党間で協議が続けられると承知しており、政府としてコメントは控えたい」と述べました。
自民 松山参院幹事長 “国民に寄り添う政策を”
自民党の松山参議院幹事長は記者会見で「物価高が国民生活を厳しくしているのは間違いなく、賃上げも追いついていない。ガソリン税の暫定税率については国民民主党を含む3党合意で廃止が決定している。その時期を早く決め、国民に寄り添う政策を大胆かつ迅速に実行するよう政府に申し上げたい」と述べました。
自民 佐藤幹事長代理「予備費を使うとかよけいな発言」
自民党の佐藤正久幹事長代理は25日夜、BS日テレの「深層NEWS」に出演し、物価高対策について「新年度予算案が成立する前から、予備費を使うとか、補正予算案を編成するのかと捉えられかねない。まさに予算審議の現場を動かしている人間からするとよけいな発言だ」と述べました。
立民 大串代表代行「極めて問題のある発言」
立憲民主党の大串代表代行は記者団に対し「国会で審議をしている新年度予算案の内容が不十分だということをみずから露呈したことになる。極めて問題のある発言だ」と述べました。
立民 斎藤参院国対委員長「強力な対策打ち出すなら今」
立憲民主党の斎藤参議院国会対策委員長は記者団に対し「強力な対策を打ち出すなら今だ。われわれは物価高に苦しむ国民の声を代弁して、予算審議の中で何とか解決に導いていこうとしているわけで、新年度予算案が通ったとたんに別の方策を行うということが何を意味をしているのか、にわかに理解しがたい」と述べました。
《企業・団体献金について》
自民 佐藤幹事長代理「結論 今月末にこだわらなくても」
自民党の佐藤正久幹事長代理は25日夜、BS日テレの「深層NEWS」に出演し、与野党が今月末までに結論を出すことを申し合わせている企業・団体献金の扱いについて「議論が平行線のままでも国民の期待とは違うが、与党との調整もなしに野党が突っ走っても参議院では法案が通らない。場合によっては結論を出すのを今月末にこだわらなくてもいいのではないか」と述べました。
立民 野田代表「国民民主党は早く野党の輪に入って」
立憲民主党の野田代表は党の常任幹事会で「公明党と国民民主党が新しい考え方を示してきたが、よくその中身を吟味しなければならない。国民民主党には、早く野党の輪に入って、企業・団体献金禁止に向けてともに頑張ろうと引き続き呼びかけていきたい。この1週間、いろいろと大事な局面があると思うが、しっかりと心合わせをしながら戦っていきたい」と述べました。
保守 百田代表「グレーゾーン多く どうしていくか大きなテーマ」
日本保守党の百田代表は記者会見で「純粋な意味で政治家や政党を応援する献金はセーフだが、何からの癒着や利権があったり賄賂に近いと受け取られかねなかったりするグレーゾーンが非常に多く、それをどうしていくかは大きなテーマだ」と述べました。
一方、内閣不信任決議案の扱いについて「提出された場合に賛成するかどうかは党内で相談する。石破総理大臣は最近の総理大臣の中でも一番悪い部類だと思っているが、それよりマシな人材を自民党が出してくるかは大いに疑問だ。次の候補者の顔ぶれを見ながら考えなければならない」と述べました。