今朝ニュースを見て気分が暗くなった。ウクライナの停戦を巡って蠢く米ロの両大国。それはまるで大国による小国いじめの様相を帯びている。関連するニュースは以下の3本だ。1本目、「米国、ウクライナに投資計画全ての管理権要求-欧州など他国排除」(Bloomberg)。2本目、「プーチン氏がウクライナ暫定統治案、選挙必要と主張=通信社」(Reuters)。3本目は「プーチン氏『北極圏で協力可能』、パートナー国に投資収益保証」。最近メディアが発信する情報はいたるところにフェイクニュースが紛れ込んでいる。仮にこれが事実だとすればという前提条件付きだが、いずれのニュースもウクライナ戦争の終結に合わせて、大国が自国の利益と権利を声高に主張している内容だ。価値観とか未来とか人類の“尊厳”に関わるような、共感できる思いのかけらもない。大国のエゴ。というか、大国を代表する2人の特異な人物の、個人的な利益を優先しているような気がする。

1本目は米国がウクライナ再建に向けて、利益を産みそうなプロジェクトの管理権を要求しているという内容。米国はウ国に戦争支援として、莫大な資金を無償提供している。前政権がすすめた施策とはいえ、Bloombergはトランプ政権が「支援の全額返済を実質義務付ける内容」だと解説する。同通信社が入手した草案文書によると「トランプ政権が要求しているのはインフラと天然資源に関連する全ての投資プロジェクトの『優先交渉権』で、ウクライナとの改定版パートナーシップ協定で規定される」という。莫大な支援金を踏み倒していいとは思わないが、ウ国にとっては理不尽なロシアの侵略に次ぐ、頼みの綱の米国の強欲ともいうべき要求だろう。普通は戦争終結後に話し合う内容だが、トランプ政権のやり方はウ国の弱みにつけ込む魂胆としか思えない。2本目はロシアだ。Reutersによると北西部ムルマンスクを訪問したプーチン氏は、「ウクライナを暫定統治下に置く案を示した。紛争解決を目指して選挙の実施と重要協定の署名を可能にすることが狙いだ」とある。

悪辣プーチンの狡賢さはいまさら驚くほどのことではない。ウ国を牽制する常套手段だとはいえ「民主的な選挙を実施し、国民の信頼を得た能力ある政府を権力に就かせ、その後に平和条約の協議を始める」というのは、自分の利益になる政権を望むということだ。さらに嫌悪感を増幅するのが次の一言だ。「紛争解決に向けて北朝鮮を含む多くの国と協力する用意がある」。何をいまさら北朝鮮だ。頭の中でどうしようもない怒りが弾け飛ぶ。3本目はトランプ氏のグリーンランド買収に対抗するもの。プーチンの思わせぶりな発言だ。いずれも大国の自己中。反吐が出るほど悪辣だ。ウクライナ戦争はトランプ氏の登場によって様相が一変した。自由と民主主義という価値観を共有する西側と強権的独裁国家であるロシアとの戦いが、2人の指導者が己の地位と経済的利益を貪る場所に変質したのだ。如何ともし難いが、これが世界の現実だ。