▽中国、大手銀4行に10兆円余り注入へ-増資引き受けでバッファー強化
- 交通銀と中国銀、中国郵政貯蓄銀、中国建設銀は最大5200億元調達へ
- 大手銀のサービス能力を増強することが目的だ-アナリスト

中国財政省は増資を通じて大手銀4行に690億ドル(10兆3000億円)相当の資本を注入する。公約していた銀行の資本バッファー強化を実行に移す。
交通銀行と中国銀行、中国郵政貯蓄銀行、中国建設銀行の4行は本土株の追加発行を通じ、合計で最大5200億元(10兆7300億円)の調達を計画していると、30日付の届け出で明らかになった。財政省はこのうち5000億元相当の株式を引き受け、4行全ての増資において筆頭投資者となる。
4行は中核的自己資本(コアTier1)拡充を目指し、28日の上海市場終値に8.8%-21.5%を上乗せした価格で新株を発行する。
中国当局は3月上旬、特別国債5000億元の発行を通じて大手国有銀行の資本を増強すると表明していた。銀行支援の計画は昨年9月に発表され、その後特別国債の発行という形になることが明らかにされていた。
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国信証券で金融セクターを担当するチーフアナリスト、ワン・ジエン氏は「大手銀行のサービス能力を増強することが目的だ。比較的高い資産の伸びを維持し、新興産業をより手厚く支援し、利下げによる利益率圧迫に対応できるようにする狙いだ」と述べた。
中国の上位6行では資本水準が要件を上回っているが、中国当局は銀行システムの強化に取り組み、ローン金利や政策金利の引き下げといった一連の刺激措置を講じている。
国有銀行は数年前から景気を支える役割を担い、利益率は過去最低となり、利益は伸び悩み、不良債権が積み上がっている。収益性の目安である純金利マージンは2024年末で1.52%と、過去最低を記録した。
原題:China to Inject $69 Billion Into Four Big Banks in Capital Boost(抜粋)