• 1月の非農業部門雇用者数は前月比13万人増-予想中央値は6.5万人増
  • 家計調査に基づく失業率は前月の4.4%から4.3%に低下-市場予想4.4%
Job seekers wait in line to speak with representatives during a career fair in Los Angeles.
Job seekers wait in line to speak with representatives during a career fair in Los Angeles.Photographer: Patrick T. Fallon/Bloomberg

Augusta Saraiva

1月の米雇用統計では、雇用者数の伸びが市場予想を大きく上回り、失業率は予想に反して低下した。雇用者数は約1年ぶりの大幅増となり、労働市場の安定化が続いたことを示した。

キーポイント
非農業部門雇用者数(事業所調査、季節調整済み)は前月比13万人増-約1年ぶりの大幅増
エコノミスト予想の中央値は6万5000人増
昨年12月は4万8000人増(速報値は5万人増)に修正
家計調査に基づく失業率は4.3%に低下市場
予想は4.4%
前月は4.4%

  1月雇用統計は当初2月6日に公表される予定だったが、政府機関の一部閉鎖により延期された。

  労働市場は過去1年、総じて失業率上昇と雇用の伸び悩みに直面してきたが、今回の統計は持ち直しの兆しを示唆するものだ。エコノミストの多くは2026年も労働市場の低迷が続くと予想しているが、トランプ政権の経済政策から受ける影響がより明確になり、金利が低下すれば、一部の企業が雇用を増やす可能性もある。

 

関連記事:FOMCが金利据え置き、経済見通しに「明確な改善」とパウエル議長

  1月雇用統計発表後、米国債利回りは上昇。市場では6月の0.25ポイント利下げの観測が大きく後退し、年内最初の利下げは7月になるとの見方が広がっている。

  ネイビー・フェデラル・クレジット・ユニオンのチーフエコノミスト、ヘザー・ロング氏は「2025年は雇用不況とも言える状況だっただけに、1月雇用統計は歓迎すべきニュースだ」と指摘。「パウエルFRB議長の見立ては正しかったと思う。労働市場は安定化しつつあるように見える」と語った。

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年次改定

  米労働省労働統計局(BLS)は毎年1月の雇用統計の公表にあわせて、年次ベンチマーク(基準)改定を行う。同改定は、速報性に欠けるものの正確性の高い「四半期雇用・賃金調査(QCEW)」を基に行われる。QCEWは州失業保険税の記録を基に作成され、全米の雇用者の大部分を網羅する。

  今回の年次改定により、2025年3月までの12カ月間の雇用者数の伸びは、当初発表よりも約90万人少なかったことが示された。この数値は、昨年9月にBLSが示していた暫定推計とおおむね一致している。

  2025年の月間平均は4万9000人増から1万5000人増に下方修正された。

  1月の雇用持ち直しは医療分野が主導した。建設業やプロフェッショナル・ビジネスサービスも増加。製造業の雇用は月間ベースで約1年ぶりに増加に転じた。一方、連邦政府の雇用者数は引き続き減少した。

  これについて、インディード・ハイアリング・ラボの経済調査部門ディレクター、ローラ・ウルリッチ氏は「医療分野がこのように伸びているのは良いことだが、より幅広い分野で力強さが見られれば、なお安心できる」とし、「かなり偏った伸びだ」と語った。

  レイオフの動きは全体的に抑制されているが、過去数週間ではアマゾン・ドット・コムやユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)などで人員削減の発表が相次いだ。また2025年12月の米求人件数は予想外に前月から減少し、2020年以来の少なさだった。

明るい材料

  雇用統計は雇用者数を算出する事業所調査と、失業率および労働参加率を算出する家計調査の2つで構成される。家計調査では、労働参加率は62.5%に小幅上昇した。

  そのほかにも明るい材料があった。経済的な理由からパートタイムでの仕事を余儀なくされている労働者の数は、2022年6月以来の大幅な減少となった。自発的離職者は増え、新しい仕事が見つかるとの自信が強まっていることが示唆された。27週以上にわたって失業している長期失業者も顕著に減少した。

  1月雇用統計には事業所調査における「バース・デス・モデル」の改定も含まれる。同モデルは新規開業と廃業の正味を算出する。エコノミストらは、同改定により足元の経済状況をより的確に反映し、将来的にベンチマーク改定幅の縮小につながる可能性があるとみている。

  ここ数年は雇用統計の修正幅が例年より大きくなっており、一部のエコノミストはこれを新型コロナ禍後に特有の経済動向に起因するとみている。数字の修正を巡っては政治色も強まり、トランプ氏が前BLS局長を解任した背景にもなった。同氏は証拠を示さないまま、統計が政治目的で操作されたと主張していた。

  雇用統計によると、1月は平均時給が前月比0.4%増と堅調な伸びを示した。家計消費を左右する要因として、エコノミストはこの指標を注視している。

原題:US Adds 130,000 Jobs and Unemployment Falls After Tepid 2025 (2)