• 物流ブローカー大手が急落、ラッセル3000トラック運輸指数は大幅安
  • ソフトウエア企業や資産運用会社、不動産サービスに続く株価下落
「AI脅威論」を背景にした売りが物流株にも波及
「AI脅威論」を背景にした売りが物流株にも波及Photographer: Carlos Moreno/Bloomberg

Joel LeonAvalon Pernell

12日の米欧株式市場では物流関連銘柄が下落。人工知能(AI)による業界構造の変革を巡る懸念から投資家が同セクターを敬遠しており、「AI脅威論」を背景にした売りが波及した格好だ。

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  ラッセル3000トラック運輸指数は一時10%下落。物流ブローカー大手のCHロビンソン・ワールドワイドは一時20%を超える下落となり、同業ランドスター・システムも一時20%安となった。

  トラック運送株を追跡するアナリストのクリストファー・クーン氏は「AIによってトラック運送ブローカーが中抜きされる可能性が意識されている。それが株価急落の背景だろう」と指摘。「セクター全体が売られているが、特に下げが目立つのはブローカー関連だ」と述べた。

  AIを活用した新たなツールやアプリケーションが多くの業界のビジネスモデルを覆しかねないとの懸念から、この数週間、株式市場では幅広い分野で売りが広がっている。売りの発端はソフトウエア企業で、その後、プライベートクレジット会社や保険会社、資産運用会社、不動産サービス企業へと波及してきた。

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  物流関連銘柄を巡る懸念が強まるきっかけとなったのは、AI企業アルゴリズム・ホールディングスの発表だ。同社は12日午前、自社の「SemiCab」プラットフォームの導入事例を巡り、顧客企業が運営人員を増やすことなく貨物取扱量を300-400%拡大させたと明らかにした。同社株は急伸。

  アルゴリズム・ホールディングスの時価総額は、11日時点で500万ドル(約7億6500万円)未満だった。同社はもともとカラオケ製品を販売する「ザ・シンギング・マシン・カンパニー」として事業を展開していたが、2024年にAI企業へと事業転換した。9月30日までの四半期決算では、売上高が200万ドルを下回り、同期間の純損失は約300万ドルだった。

旧来型産業にも波及

  欧州市場でも物流関連銘柄の売りは広がり、デンマークのDSVは11%安、スイスのキューネ・アンド・ナーゲルは13%安となった。

  投資家はこれまで、テクノロジー株の変動が大きくなるなかでポートフォリオの分散を進め、運輸株を「AI耐性銘柄」の一角とみなしてきた。しかし12日の急落は、市場を揺るがしてきたAI脅威論が、いわゆる「旧来型産業」にも及ぶことを示した。

  クーン氏は「順番が回ってきたということだ」と指摘。「売られ過ぎだと思うが、さらなる詳細が必要だ。ただ、大企業がこうしたソフトウエアを導入しても、CHロビンソンやRXOのような大手トラック運送ブローカーを使わないというのは考えにくい」と述べた。

原題:Logistics Stocks Sink as AI Fear Trade Finds Latest Victim (1)(抜粋)