きょうから「News to The Future」の更新を本格的に開始します。このサイトはこれまでの「NEWSで世界を読む」を衣替えしたもので、内容的にはニュースのスクラップ帳兼情報発信サイトです。今回の更新を機に情報発信のウエイトを高めていきたいと考えています。旧来のサイトでは一部有料情報を掲載していました。この情報の提供会社から削除要請がきたため、更新を一時的に停止して対応策を考えていました。今回新たに立ち上げたサイトは投稿ごとに公開、非公開の選択が可能になっており、ニュースソースの要請を受け入れやすい仕組みです。まだ完全にマスターしているわけではありませんが、使い勝手はこれまで以上によくなると思います。
サイトの更新に合わせて編集の方針も見直していきたいと考えています。「NEWSで世界を読む」というこれまでのサイトは約5年半続けてきましたが、ニュースをいくら読んでも世界の実態は見えてこないというのが実感です。多様化し複雑化し水面下で物事が決まっていく世の中で、真実に近づくというのはメディアといえども簡単ではないでしょう。洪水のように目の前を流れるニュースをいくら読んでも、なかなか世界は見えないというのが現実です。そんな経験をもとに「News to The Future」には過去ではなく未来につながりそうなニュース、そこに焦点を当てたいとの思いを込めました。簡単なことではないと思いますが、独断と偏見で未来社会を考えるサイトにしたいと思っています。
最近、渡辺正峰氏の「脳の意識 機械の意識」(中公新書)を読みました。何十億というニューロン(脳細胞)が束になって機能している脳の構造は、ものすごい勢いで解明が進んでいるそうです。半面、ニューロンが作り出す意識については研究が緒についたばかりで、意識がどうやって作り出されるのか、これを解明するのは大変に難しいことのようです。だからでしょう、デカルトは言いました。「我思う、ゆえに我あり」。意識すること、考えること、これが生きている証でもあります。そんなことを考えながら芥川賞作品である「おらおらでひとりいぐも」を読みました。70歳を過ぎて愛する夫を亡くした主人公である桃子さんの「我思う」物語です。夫が死んだ時に絶望の淵に突き落とされた桃子さんは一方で、ふっと何かから解放された喜びを感じたのです。人間の不思議なところです。ざわつく脳細胞の小説化です。個人的には独断と偏見の「我思う」を大切にしていきたいと思っています。