[東京 20日 ロイター] – 政府は20日午後、経済財政諮問会議を開催し、2019年10月の消費税率再引き上げと2020年の東京五輪・パラリンピックを境とした需要変動への対応や、外国人労働者の受け入れなどについて議論が行われた。需要変動への対応では、民間議員から機動的な財政出動を求める提言が示された。
会議で安倍晋三首相は、消費増税や東京五輪を見据えて「駆け込み需要や反動減といった経済のぶれをコントロールし、需要変動を平準化する具体策を政府一丸となって検討する必要がある」と発言した。
民間議員は、前回の2014年4月の消費増税に伴う個人消費の落ち込み、2012年のロンドン五輪における英政府などの対応を踏まえ、金融政策に加えて機動的な財政政策を通じて「適切に対応していくポリシーミックスが重要」と提言。
五輪後のインバウンド需要の拡大継続も含めて安定的な経済成長を確保するため、「ソフト面・ハード面からの計画的な取り組みが重要。(成長の)基盤となる投資プロジェクトや波及効果の大きな政策を実現していくべき」とするとともに、消費増税が行なわれる2019年度の当初予算では「駆け込み需要と反動減を抑える計画的な予算編成・執行を進めるべき」と主張した。
会議後の会見で茂木敏充経済再生相は、19年度予算について「消費税引き上げが4月ではないことに留意した予算編成・執行が必要」と語った。
外国人労働者の受け入れについて首相は、人手不足の現状を踏まえて「外国人受け入れ制度の在り方について、早急に検討を進める必要がある」と指摘。具体的には「移民政策を取る考えはない」とし、在留期間の上限設定や家族の帯同は認めないとの前提条件のもとで介護や建設、農業などを含めた専門的・技術的分野における外国人労働者の受け入れ拡大を検討する考えを表明した。今後、出入国管理法の改正も視野に議論を進め、今夏にとりまとめる予定の経済財政運営の指針「骨太の方針」に方向性を盛り込む考えだ。