[ニューヨーク 5日 ロイター] – 終盤のニューヨーク外為市場では、ユーロが底堅く推移した。イタリア総選挙結果を受けて売りが出る場面もあったが、ドイツで連立政権が発足する見通しとなり、政局を巡る不透明感が和らいだ。
ドルは対円で上昇した。市場関係者らによると、トランプ米大統領の鉄鋼・アルミ関税方針表明に端を発する貿易戦争不安が和らぎ、安全資産とされる円に売りが出た。ユーロ圏経済の底堅さに対する投資家の見方が、選挙結果で変わらなかったとの見方が広がる。ウェルズ・ファーゴ証券の通貨戦略部門責任者は「結果はユーロに中立的かややプラス」と指摘した。市場の関心は9日公表予定の米雇用統計や、今週開催の4主要中銀会合に移るとみられる。オーストラリア準備銀行(RBA、中央銀行)が6日、カナダ銀行(中央銀行)は7日、欧州中央銀行(ECB)は8日、日銀が9日に会合を予定する。
ユーロEUR=は対ドルで0.11%高の1.2330ドル。イタリア総選挙結果に関連した下げが消えた。ドイツの選挙結果を受け、アジアの取引時間に1.2365ドルと2週間ぶり高値をつけた。ユーロは対円EURJPY=で0.53%高の130.93円。ロンドン取引時間には一時、0.7%下落して129.37円と昨年8月以来の安値を記録する場面もあった。トランプ氏の方針を受け、欧州連合(EU)やカナダなどが対抗措置を示唆し、米議会共和党幹部らもトランプ氏に再考を求めた。関税方針への反発を受け、トランプ氏の計画が果たして実施されるのかを巡り憶測が広がった。ドルは対円JPY=で0.44%上昇して106.21円。前週末には105.23円と、1年4カ月ぶりの安値をつけていた。