財務省が福田次官のセクハラ疑惑についての調査結果を公表した。次官は「覚えがない」と全面的に否定。そのうえで週刊新潮が報じた内容について財務省の記者クラブに所属する女性記者に「事実解明に協力して欲しい」と協力を要請した。先週のこの欄でモリカケ問題に防衛省の日報問題、これに次ぐ財務次官のセクハラ疑惑と、次々に浮上する“不祥事”に「うんざりする」と書いた。それなのに今朝、新聞を読んで改めて「うんざり」している。どうしてこうもうんざりすることばかりが続くのか。うんざり大国・日本、どこかタガが外れているのではないか。
うんざりする最近の世の中の風潮はどこに原因があるのか、多少なりとも参考になる情報はないかとテレビをつければ、エンジェルス・大谷の活躍と不祥事関連の続報のオンパレード。きのうは寒さ、きょうは移動日で大谷の試合はない。それでもテレビはあれやこれやと大谷情報のてんこ盛り。どの局も似たり寄ったり。当然だが新しい情報はない。新聞をみればこれまた一面から不祥事関連の続報ばかりだ。朝日新聞の編集委員のコラムが目についた。「野党は対案を出さずに批判ばかり、もっと政策を議論すべきだ」との読者の声に答えて曰く、「畑の土壌が汚染されているのに、ニンジンをうえるかジャガイモにするか議論をしても仕方がない」と一刀両断。そしてこの記者曰く、「土壌を変える議論が必要だ」と。
わからないでもない。だがしかし、「うんざりすることのみ多かりき」のこの国で、土壌を変えても、うんざりすることは消えてなくならない気がするのだ。ひところ、「このハゲ」が連日話題の中心になった。野党議員のW不倫疑惑や国会議員のヤジ、閣僚の不規則発言を取り上げればメディアの視聴率は一気に上がる。半面、シリアの化学兵器を使用した本当の犯人は誰か、多くのメディアはほとんど気にしていない。政権も官僚も政治家も、もっと言えばメディアも読者も視聴者も、己を顧みることなく他人を批判し、うんざりする空気を増幅している。土壌を変える議論そのものが成り立たない土壌がこの国にはある。
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