衆院予算委員会の証人喚問で挙手する佐川宣寿前国税庁長官=3月27日、国会(酒巻俊介撮影)
衆院予算委員会の証人喚問で挙手する佐川宣寿前国税庁長官=3月27日、国会(酒巻俊介撮影)

 学校法人「森友学園」(大阪市)との国有地取引に関する決裁文書の改竄問題で、財務省理財局長だった佐川宣寿(のぶひさ)前国税庁長官が大阪地検特捜部の任意聴取に対し、改竄部分は部下が考えたとする趣旨の供述をしていることが25日、関係者への取材で分かった。改竄の認識はあったが、積極的な指示については否定しているもようだ。

 財務省の説明では改竄は国有地売却問題が発覚した後の昨年2月下旬~4月、佐川氏の国会答弁と矛盾が生じないように行われたとされる。佐川氏は「学園との価格交渉はしていない」などと答弁していた。関係者によると佐川氏は特捜部の聴取に理財局職員が答弁に疑義が生じないように書き換える部分を考え、その報告を受けて了承したという内容の供述をしたという。

財務省の文書改竄は14文書の約300カ所に上る。改竄をめぐっては、大学教授や市民団体が佐川氏らに対する虚偽公文書作成や公文書変造・同行使などの罪で告発状を検察当局に提出。特捜部は動機や指示系統を解明し、立件の可否について慎重に見極める。