• クアルコムの半導体など米国製部品入手できず
  • ZTEに今できることは何もない-CICCの黄アナリスト

中国2位の通信機器メーカー、中興通訊(ZTE)は全ての主要事業活動を停止した。同社に対する米国の制裁措置発動で米企業から重要な技術を入手できず、事業継続の厳しさが浮き彫りとなっている。

米商務省は米企業にZTEとの取引を7年間禁止する新たな制裁を発動。イランなどへの違法輸出を巡る以前の制裁措置に絡んだ2017年の合意条件に同社が違反したとしている。ZTEは引き続き、制裁解除に向けた取り組みを続ける意向だが、クアルコムルメンタム・ホールディングスから半導体など製品製造に欠かせない部品は手には入らない状態だ。

モバイル・ワールド・コングレスでのZTEのブース(2017年2月)
フォトグラファー:Pau Barrena / Bloomberg

10日の時点で、ZTEのウェブサイトとアリババのオンライン市場「天猫」にZTEが置く旗艦ストアを通じた販売は停止され、オーストラリアのテルストラなどの通信会社でのZTE製品の販売も止まった。

中国国際金融(CICC)の黄楽平アナリストは、ZTEの大型通信機器製造事業も恐らく同じ部品不足に陥っていると指摘。「ZTEに今できることは何もない。製造と販売はまひ状態だ。ただ研究開発はまだ続いている」と述べた。

ZTEは制裁措置を「受け入れられない」として、法的措置に訴えることを示唆。同社はスマートフォン市場で米アップルと競い合うという野心を抱いていたこともあった。発表文では手元資金は十分あるとし、商業上の義務を順守すると表明した。

同社の担当者は詳細についてのコメントは控えた。ZTEの株式は制裁発動後、売買が停止されている。

原題:China’s ZTE Halts Major Operations After U.S. Choked Off Supply(抜粋)