• 王岐山副国家主席を招くことも提案されている-関係者
  • 現実的には7月6日前の王氏訪米難しく、その2カ月後が期限と識者

ホワイトハウスの一部当局者が中国との貿易戦争回避のため、7月6日の対中関税発動前に同国との協議再開を目指している。事情に詳しい関係者3人が明らかにした。ただ米政権内の強硬派との対立は必至だ。

王岐山国家副主席、撮影:Andrey Rudakov / Bloomberg

これら関係者が匿名で明らかにしたところでは、米国家経済会議(NEC)のスタッフが今後2週間内に高官級協議を行えるかどうか見極めようと、元米政府当局者や中国専門家と最近接触している。同スタッフが示している案の1つは、対中関税発動前に王岐山国家副主席を招くことだという。

しかし、中国制裁を望む米政権内の強硬派の存在を考えれば、近いうちにこのような交渉が行われる可能性は小さい。トランプ大統領が対中関税を撤回する兆しは見られない。

ホワイトハウスにコメントを求めたが、これまでに返答はない。

トランプ政権内には、米中貿易問題で何を勝利と見なすことができるかを巡り見解の対立がある。ライトハイザー通商代表部(USTR)代表やナバロ国家通商会議(NTC)委員長ら強硬派は、中国の政策構造の転換を強く求めている。一方、ムニューシン財務長官とクドロー国家経済会議(NEC)委員長は対中貿易赤字縮小を目指す合意に対し、より理解ある態度を示している。

対中政策で政権内にこうした溝があるため、王副主席の訪米を急きょ要請することは難しさを増している。しかし、事情に詳しい関係者によれば、一部の政府当局者は、より長期的な米中協議を考えている。

米アメリカン・エンタープライズ研究所(AEI)の中国担当研究員、デレク・シザーズ氏は、より現実的なのは7月6日ではなく、その後のさらに大規模な関税導入の前に王副主席を招くことだと指摘。米国はまず中国からの2000億ドル(約22兆円)相当の輸入品の関税対象リストを発表し、その後、60日間の意見公募期間を経て関税は発動することになる。

シザーズ氏は、「数週間前に合意取りまとめに失敗したばかりであり、向こう数週間で合意に至る可能性は低い。真の期限は7月6日ではなく9月6日だ」と述べた。

原題:U.S. Weighs Fresh China Talks Amid Split on Trump Trade Team (1)(抜粋)