• 計画が実施されれば米中貿易摩擦は解消不能になる恐れ
  • ムニューシン財務長官はもっと穏やかな内容を望んでいたと関係者
Photographer: Andrew Harrer

米財務省は緊急法制の下で中国による米重要産業分野への投資の精査を強化する計画であり、同計画が実施されれば米中貿易摩擦は解消不能になる可能性がある。

事情に詳しい関係者8人によれば、ホワイトハウスは国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づいて、新エネルギー車やロボット工学、航空宇宙などの分野で、米企業に対する中国の投資は米国の経済・国家安全保障への脅威だと宣言する意向だ。

中国は米国がこうした極端な一方的措置を検討しているとの報道について、外交的解決の可能性からの転換と捉えるかもしれない。

ムニューシン財務長官、Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg

ムニューシン米財務長官は25日朝のツイートで、同措置は中国に照準を定めているとする報道を否定。これに関するブルームバーグ・ニュースと米紙ウォールストリート・ジャーナルの報道を「誤った、偽ニュース」だと非難した。ムニューシン長官はこれまで、中国との貿易摩擦に対して交渉による解決を政権内で主張してきた。長官は週内に発表される同規制措置について、「中国に限定したものではなく、われわれのテクノロジーを盗もうとする全諸国が対象になる」と指摘した。

これら関係者が匿名で明らかにしたところでは、ムニューシン財務長官は今月29日に発表する予定の報告書で、対米外国投資委員会(CFIUS)を通じて同法を適用することを提案する。

関係者の2人によると、現在検討されているのはCFIUSに2通りの投資審査プロセスを設け、1つを中国専門にするという案だという。

オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)の大中華圏担当チーフエコノミスト、レイモンド・ヤン氏は、「トランプ大統領の政策が貿易赤字解消を目指すものではないことはいまや明らかだ。安全保障リスクは二国間関係のあらゆる側面、特に投資制限に適用し得る」と説明した。

中国商務省に米国の投資抑制報告書に関してコメントを求めたが、返答はなかった。

関係者らによれば、ムニューシン長官は昨年12月から同投資制限計画に取り組んできたが、もっと穏やかな内容を主張していた。しかし、中国の投資が引き起こす安全保障上のリスクに対処するにはもっと単刀直入な手段を使うべきだとするトランプ大統領や他の閣僚らに説得されたという。

関係者によると、一部の米政府当局者は経済の緊急事態を宣言すれば米株式市場が打撃を受ける恐れがあるほか、中国に事業展開する米企業に害が及ぶ可能性があると懸念している。

香港紙サウス・チャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)は24日、 中国は米中貿易摩擦がエスカレートする中でも、国内で事業活動する米国企業を標的にする計画はないと報じたが、米政権が追加装置を講じればこの方針は変更される可能性がある。

原題:U.S. Plans to Curb Chinese Tech Investments, Citing Security(抜粋)