• 「2000年の亡霊が近くをさまよっている」-ムーア元花形マネジャー
  • 強気相場に乗れなかった向きが調整を期待しているとの声も

市場の混乱が差し迫っていると見込むヘッジファンドマネジャーが増えている。

ムーア・キ ャピタル・マネジメントの元花形マネジャーで、今年に入り自ら設立した会社でトレーディングを開始したグレッグ・コフィー氏は、5月の乱高下を2000年のドットコム・バブル終焉(しゅうえん)になぞらえた。欧州で最も弱気なヘッジファンドマネジャーの1人とされるヘッジファンド運営会社ホースマン・キャピタル・マネジメントのラッセル・クラーク氏は投資家向けの書簡で、08年の金融危機の記憶がよみがえったと記述した。

欧州有数の著名運用者であるこの2人を待つまでもなく、投資家の間では10年にわたった資産価格の上昇が終わると予想する声が強まっている。資産家のジョージ・ソロス氏は5月、次の金融危機と欧州連合(EU)の存続が問われる事態が迫っていると警告した。

コフィー氏は5月の投資家向け書簡で「2000年の亡霊が近くをさまよっている」とし、「間違いなく、これが現在置かれている投資環境で、今年末まで変わらないだろう」と記述した。

コフィー氏のカーコスワルド・キャピタル・パートナーズ、ホースマンはそれぞれコメントを控えた。

これに対し、いわゆるオルタナティブ・アクティブ戦略で730億ユーロ(約9兆3500億円)を運用するリクソー・アセット・マネジメントで、シニア・クロスアセットストラテジストを務めるフィリップ・フェレイラ氏は「金融危機以来、悲観論者の数は飛躍的に増えた。だが、政治リスクを除けば世界経済は好調だ」と主張。ジュネーブを拠点とするレイル&シエのオルタナティブ資産責任者、ニコラス・ロス氏は「直近の強気相場に乗れず、脇に追いやられたマネジャーは多い」と指摘、「そうしたマネジャーが挽回を狙い、調整入りに賭けている」との見方を示した。

原題:Hedge Fund Managers See Echo of 2000, 2008 Crashes in Markets(抜粋)