あす(3日)未明に日本(アジア)対ベルギー(欧州)の一戦が行われる。FIFAランキング3位のベルギーと同61位の日本。誰が見てもベルギーに分のある組み合わせだ。おまけにベルギーは予選リーグで3戦全勝している。対戦相手もイングランド(欧州)、チュニジア(アフリカ)、パナマ(北中米カリブ海)と決して楽な相手ではなかった。予選リーグ全勝の実績は、優勝候補の名に恥じない最強の実績である。ドイツをはじめ有力国が早々に姿を消しているだけに、予選から好調を維持しているベルギーに勝つのは決して簡単ではない。それでも日本が勝つ。贔屓の引き倒しではない。そうなる必然がある。日本はベルギーを3−1で破ってベスト8に進出する。

必然その1。西野朗監督は決勝トーナメントの第1戦を勝つために、予選最後のポルトガル戦で主力6人を温存した。後半になってこのうちの3人が途中出場したが、フル出場に比べれば体力の消耗は少なくてすんだ。予選段階で決勝トーナメントを勝ち上がることを意識した作戦を立てている。このことはチームにそれだけの実力が備わっていることの証明でもある。おまけに、今回のW杯で西野監督の作戦はことごとく当たっている。チームは勝つためのレールの上を走っているのである。初戦のコロンビア戦を振り返ってみよう。試合開始3分でコロンビアがペナルティーエリア内でハンドの反則を犯して一発退場。数的優位をもらった上で香川がペナルティーキックを冷静に決めた。この時に勝つための路線が敷かれたのである。ポルトガル戦のリスクテイクも、この路線の上だったから成功した。決勝トーナメントでもこの路線は残っている。これが必然その2だ。

そして、必然その3。今回のW杯は個人技よりもチームプレーに優れたチームが勝ち上がっている。個人技で見劣りする日本はチームプレーに磨きをかけてきた。予選リーグを突破したことでチームの意思が一本にまとまった。加えてポゼッションサッカーに対抗する長い縦パス一本の速攻が際立っている。ミッドフィルダー柴崎を軸に中盤でボールがキープされている。そこから両サイド、縦に長いロングボールと自在の攻めができている。ディフェンスに穴がありそうなベルギーの隙をつくことも可能だ。どう考えても日本の勝利しかない。2−1でリードしたまま終盤を迎え、ゴールキーパーをあげて総攻撃を仕掛けるベルギー。その間隙をついて日本が終了間際に1点を追加する。結果は3−1で日本の勝利。さあ、あすの未明を楽しみにしよう。