• 米ハウンズトゥースは今、UVXYのプットを購入
  • 2月にはSVXYのプットから大きな利益を確保
Photographer: Daniel Acker/Bloomberg

米CBOEグローバル・マーケッツのボラティリティー指数(VIX)が2月に急上昇した際、驚異的な利益を確保したヘッジファンドが新たな狙いを定めている。

このヘッジファンドはハウンズトゥース・キャピタル・マネジメントで、市場の静けさに連動する上場投資信託(ETF)の値下がりを見越した取引でプラス6000%のリターンを挙げた。テキサス州オースティンに本社を置く同社は今、その逆方向の商品、つまり株式相場の混乱から利益を得るように設計されたETFのトラブルを想定している。

750万ドル(約8億2900万円)規模のこのファンドが現在購入しているのは、「プロシェアーズ・ウルトラVIX短期先物ETF(UVXY)」の値下がりを見越す期間短めのアウト・オブ・ザ・マネー(OFM)のプット(売る権利)オプション。UVXYは、ボラティリティー拡大から利益を得る流動性が最も高いレバレッジドETFの1つだが、ボラティリティーがいったん急上昇しても安定した状況に引き戻す技術的な力が働くため、UVXYには大打撃となるとみている。

ハウンズトゥースの創業者リンカーン・エドワーズ氏はインタビューで、「ボラティリティーの売買価格を市場が間違えている分野を探している。少なくともリスクと報酬のトレードオフが非常に良好だとわれわれが考える分野だ」と述べた。「VIXが再び大きく急上昇すれば、その後1日でUVXYを破壊しかねないリスクがある」と付け加えた。

プロシェアーズの広報担当でヒューズ・コミュニケーションズ所属のタッカー・ヒューズ氏はコメントを控えた。CBOEもこれまでのところ、コメントを求める電子メールに返答しない。

VIXは2月に1営業日として過去最大の上昇を記録。これより前に、ハウンズトゥースは「プロシェア-ズ・ショートVIX短期先物ETF(SVXY)」のプットを買い入れていた。市場が平穏を維持するとみられる中でVIXが上昇すれば、売りがかさむと予想したためだが、同ETFは実際に83%急落。この取引で今年1-3月は同ファンドにとって過去最良の第1四半期となった。

ハウンズトゥースはボラティリティー関連商品に埋め込まれたテクニカルリスクに目を付ける。ロング(買い持ち)もショート(売り持ち)の金融商品も、連動するボラティリティーへのエクスポージャーを一定水準に保つため、先物を日々売買する。これは、一方向の大きな動きがVIXに起きた場合、購入を迫られる先物の規模が膨らみ、流動性を逼迫(ひっぱく)させ先物の価格を押し上げる可能性がある。エドワーズ氏はそう説明する。

今回の戦略がうまくいくには、VIX先物が1日でたとえ200%あるいは10000%上昇したとしても、最終的に1日で価値の3分の2を失えばいいという。そうすれば、レバレッジが効いたUVXYはゼロ同然になると、同氏は述べた。

エドワーズ氏は11月の米中間選挙が近づくにつれ、ボラティリティーが高まると確信している。「3回目の利上げも目にすることになり、今よりも大きなボラティリティーが起きるだろう。欧州政治の不透明感も引き続きボラティリティーを動かす要因となる。VIXは少なくとも年内に1度は30を超える」と述べた。

原題:Hedge Fund That Made 6,000% on VIX Jump Bets on Next Blow-Up (2)(抜粋)