[ワシントン 6日 ロイター] – 米商務省が6日発表した5月の貿易収支の赤字額は前月比6.6%減の430億5300万ドルと、2016年10月以来、1年7カ月ぶりの少なさだった。大豆や民間航空機の輸出が好調で全体輸出が過去最高水準に達した。市場予想は437億ドルだった。

4月の貿易赤字は当初発表の461億9900万ドルから460億8100万ドルへ改定された。

実質の貿易赤字を示すインフレ調整後の貿易赤字は5月に752億8300万ドルと、17年3月以来の少なさだった。4月は774億8000万ドルだった。4月と5月ともに、第1・四半期の平均である824億5300万ドルを下回った。

4月と5月に実質貿易赤字が減ったことは、貿易が第2・四半期に国内総生産(GDP)を押し上げる方向に働くことを示唆する。貿易は第1・四半期GDPにプラスにもマイナスにもならなかった。第2・四半期GDP予想は年率で4.0%増を超えている。第1・四半期GDPの2.0%増の倍以上のペースだ。ただ米国は、中国や欧州連合(EU)、カナダ、メキシコなどの主要な貿易相手国との貿易摩擦が続いており、経済見通しに影を落としている。

トランプ米大統領は国内の産業が不当な競争にさらされていると主張し、鉄鋼やアルミニウムなど幅広い輸入品目に関税を課した。米国と中国は6日、お互いに340億ドル相当の輸入品に関税を課した。

エコノミストらは、報復関税の応酬によって供給網が阻害されるほか、設備投資が抑制されたり消費者物価が上ったりし、1月に発効した1兆5000億規模の減税政策の効果がなくなると警告している。

政治的に問題になることが多い対中貿易赤字は5月に18.7%増の331億8700万ドルだった。対メキシコ貿易赤字は18.8%増加した。

貿易収支の内訳は、モノとサービスの輸出が1.9%増の2153億2800万ドルと、金額ベースで過去最高水準となった。民間航空機が18億9200万ドル増となったことが全体を押し上げた。大豆も19億5600万ドル増と、押し上げ要因だった。

モノとサービスの輸入は0.4%増の2583億8100万ドルだった。