ヨーロッパなどの科学者のグループが地球温暖化についての研究結果を発表し、2020年以降の温暖化対策の国際的な枠組み「パリ協定」の目標どおりに温室効果ガスの排出量を減らしても温暖化を止められないおそれがあり、早急な対策が必要だと警告しています。

この地球温暖化の研究結果はスウェーデンやデンマーク、それにオーストラリアなどの科学者のグループがまとめ、6日、「アメリカ科学アカデミー」の機関誌に発表しました。

それによりますと、世界の平均気温の上昇を産業革命前と比べて2度未満に抑えるとした「パリ協定」に従い、各国が目標どおりに温室効果ガスの排出量を減らしたとしても、「温暖化を止められないおそれがある」と指摘しています。

そして、現在、産業革命前と比べて、1度、高くなっている世界の平均気温が2度以上高くなると、北極や南極の氷がとけたり、森林が枯れたりする現象が次々に進んでさらに急激な温暖化を招き、海面が今より10メートルから60メートル高くなるおそれがあるとしています。

そのうえで、「このままでは地球は温室と化し、生物がすめなくなる」と警告しています。このため科学者のグループは、森林を増やすなどといった従来の対策に加え、大気中の二酸化炭素を地下に埋める技術を使うなど、早急な対策が必要だと呼びかけています。