温暖化対策 気候変動 地球温暖化

【バンコク時事】地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」の運用ルールを決める、国連気候変動枠組み条約の事務レベルの作業部会が9日、ルール案のたたき台の作成を議長に一任して閉幕した。焦点となる各国の温室効果ガス削減目標に盛り込む項目や資金支援の在り方は、先進国と途上国の溝が埋まらず、ルールの決定は12月の同条約第24回締約国会議(COP24)での政治決着に委ねられた。

 パリ協定は、世界の平均気温の上昇幅を産業革命前から2度未満に抑えるため、各国が温室効果ガスの削減目標を自主的に策定することを定めた。作業部会では、協定を骨抜きにしないための詳細な運用ルールを協議した。これまでの議論では、温暖化の被害軽減策に関する各国の報告事項や、他国で温室効果ガスの排出削減に貢献した分を自国の削減分として計上できる「市場メカニズム」など一部の分野では交渉が大きく進展した。

一方、削減目標をめぐっては議論が停滞。先進国が各国統一のルールを作るよう主張したのに対し、中国など途上国は、各国の実情に応じて多様なルールを許すべきだと反発、平行線をたどった。