11日のニューヨーク外国為替市場ではカナダ・ドルが米ドルに対して上昇した。トランプ米大統領が通商交渉に期待を示したほか、ハリケーン「フローレンス」が米ノースカロライナ州に上陸するとの予報で原油価格が上昇したことも手掛かりとなった。

円は3日続落。米中通商交渉が激化する懸念があるものの、トレーダーは懸念を受け流し、リスク志向が回復した。

主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は一時0.2%高。その後は伸び悩んだ。ドルは主要10カ国(G10)通貨の大半に対して下落。対円では上昇した。

トランプ大統領はカナダとの交渉が「非常にうまくに進んでいる」と述べた。ロイター通信が報じたところによれば、カナダは通商協議に米国の乳製品を含む用意がある。

ニューヨーク時間午後5時現在、ブルームバーグ・ドル・スポット指数はほぼ変わらず。ドルは対円で0.5%高の1ドル=111円63銭。対ポンドではほぼ変わらず。

中国は米国が世界貿易機関(WTO)の判断を順守していないとして、米国に報復するための許可を月内に、WTOに求める方針を明らかにした。

ドルは加ドルに対して0.7%安。対ユーロでは0.1%下げた。中国がWTOに報復許可を求める方針が伝えられると、ドルは一時幅広く買われる場面もあった。

欧州時間の取引

円はG10通貨全てに対して下落。ユーロとポンドは中国とWTOのニュースを受け、上げ幅を削る場面もあった。

英国の欧州連合(EU)離脱交渉が進展している兆候や米国経済に対する楽観が示され、リスク志向が高まると、円は売られた。

原題:Greenback Gains as U.S.-China Trade Rift Sidelined: Inside G-10(抜粋)
Yen Slips, Markets Remain Choppy on Trade War Noise: Inside G-10(抜粋)