• 資産購入は10月から減額、12月に終了へ
  • 不確実性の主因は貿易紛争と市場のボラティリティー

欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は13日、ユーロ圏の景気拡大は依然、世界的なリスクに対応できる十分な強さがあるとの認識を示した。ECBは最新経済予測で2018、19年の成長率見通しを若干引き下げたが、米国発の貿易問題を乗り切れることに自信を示した。

ドラギ総裁は政策決定後の記者会見で、ユーロ圏「経済には基調的強さがあり、下振れリスクは労働市場の改善と賃金上昇によって緩和されると考える根拠になっている」と述べた。「世界経済における不透明の最大の原因は保護主義の台頭だと考えている」とも語った。

成長へのリスクは依然「おおむね均衡している」とし、1年余り前から続いている表現を維持した。ブルームバーグは今週、経済予測をまとめる委員会はリスクが下振れ方向に傾いているとみていると報じていた。

政策委員会は資産購入を10月から縮小し年末までに終了させる計画を堅持した。政策金利は「少なくとも2019年夏の終わりまで」現行水準にとどまるとの見通しも繰り返した。保有債券の満期償還金の再投資も含め政策パッケージ全体が、引き続き景気を支援するとドラギ総裁は述べた。

「政策委員会の全会一致の見解は、現在の金融政策姿勢が堅固だというものだ」とし、「域内の物価圧力と総合インフレの動向が中期的に一段と強まるためには、相当大きな金融による刺激が依然必要だ」との認識も示した。

ECBの2018年9月の予測 2018年 2019年 2020年
経済成長率 2%(対2.1%) 1.8%(対1.9%) 1.7%(対1.7%)
インフレ率 1.7%(対1.7%) 1.7%(対1.7%) 1.7%(対1.7%)