【ニューヨーク=飛田臨太郎】茂木敏充経済財政・再生相と米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表は25日朝(日本時間25日夜)、米ニューヨークで貿易問題を巡って約1時間会談し、関税を含む2国間協議入りを話し合った。茂木氏は会談終了後、記者団に「両国の貿易を促進する方策など基本的な認識は一致した」と語った。26日の日米首脳会談での合意を目指す。

貿易協議に臨む茂木敏充経済財政・再生相と、USTRのライトハイザー代表=25日、ニューヨーク(代表撮影)

貿易協議に臨む茂木敏充経済財政・再生相と、USTRのライトハイザー代表=25日、ニューヨーク(代表撮影)

茂木氏とライトハイザー氏は日米貿易協議(FFR)の担当閣僚。安倍晋三首相とトランプ米大統領の首脳会談に先立ち、日米の今後の通商協議のあり方を議論した。茂木氏は「大きな方向は一致を見ることができた」と強調したものの「個別項目は首脳会談で合意したうえで発表したい」と述べ、会談内容の詳細は明かさなかった。

これまで日本は米国に環太平洋経済連携協定(TPP)への復帰を促し、米国は2国間交渉を求めてきた。日本側は11月の米中間選挙を前に、関税を含む2国間協議を受け入れて米側に配慮する姿勢を示したとみられる。

日本側は関税協議入りの条件として、米国が検討する自動車への追加関税を凍結するよう主張。欧州連合(EU)が7月下旬に米国と関税下げの交渉入りで合意した際は、自動車関税の先送りを米から引き出した。日本の自動車メーカーや関連産業に甚大な影響を及ぼす関税上げを回避できれば、首脳会談の成果になるとの期待がある。

農産品の市場開放も議題となったとみられる。日本はTPPで合意した水準までしか関税下げは認めないとの立場で、協議でも主張したもようだ。TPPを超える水準の関税下げを米国に認めれば、国内の農業団体の反発は必至だ。米国内には日本の市場開放を求める声が根強く、日本側の主張が受け入れられたかが焦点だ。