[ローマ 22日 ロイター] – イタリア政府は22日、欧州連合(EU)の欧州委員会に対し、EU財政規律に反する2019年予算案を修正しない考えを示した。ただ、今後数年間はさらに財政赤字を拡大させない方針も示した。

トリア経済・財務相は欧州委への書簡で、財政赤字の国内総生産(GDP)比が2.4%となる来年の予算案が、EUの財政規律を定めた安定・成長協定に沿わないことは認識していると指摘。

ただ、イタリアは数年にわたり成長が停滞しており、それに対応する必要があると主張。「金融危機前のGDP水準回復が遅れていることや、不利な条件に置かれた国民のほとんどが感じている絶望的な経済状況を踏まえると、困難だが必要な決定だった」と説明した。

コンテ首相は会見で、ユーロ圏とEUを離脱する考えはないと強調。ただ、EUは一般国民のニーズを満たしておらず、自らを傷つけているとの考えも示した。またコンテ氏は、改革が始まれば成長が「離陸する」と予想。財政赤字については「われわれにとっては2.4%が上限だ」と明言した。

欧州委の報道官によると、欧州委は23日に対応を決める方針。欧州委は10月29日までにイタリア側に予算変更を求めるかどうかを決める。変更要請があった場合、イタリアは3週間以内に対応する必要がある。