• 賠償問題は65年の請求権協定で合意、半世紀の「日韓関係の基盤」
  • 判決は法的基盤を完全否定、韓国政府がまず問題解決を

河野太郎外相は、日本企業に賠償を命じた韓国最高裁の元徴用工訴訟判決について、韓国国民への補償や賠償は韓国側が責任を持つべきだ、との認識を示した。

河野外相は4日、ブルームバーグのインタビューで、日本と韓国2国間の賠償問題については1965年の日韓請求権協定で合意しており、「過去半世紀の日韓関係の基盤となっている」と強調。こうした認識は、両国間で「明白なことだ」と述べた。インタビューは英語で行われた。

河野外相、Photographer: Kentaro Takahashi/Bloomberg

韓国最高裁は先月30日、日本の植民地時代に強制労働をさせられたとして、韓国人の元徴用工4人が新日鉄住金(旧新日本製鉄)に損害賠償の支払いを命じる判決を下した。日本側は、安倍晋三首相が「国際法に照らしてあり得ない判断だ」と国会答弁するなど強い不快感を示している。

  韓国の文在寅大統領は、判決への政府の対応をいまだ明らかにしていない。

河野外相は、判決は「日韓関係における法的基盤を完全に否定するもの」であり、2国関係を考える上では「まずこの問題を解決する必要がある」と指摘。韓国側が問題解決に動かない限りは両国関係は前進することはない、との考えを示した。