トランプ大統領

 【ワシントン=海谷道隆】トランプ米大統領は13日のツイッターで、シリアの少数派クルド人武装勢力を掃討する構えのトルコに対し、「トルコがクルド人勢力を攻撃したら、トルコを経済的を破滅させる」と警告した。クルド人勢力をテロ組織とみなすトルコのエルドアン大統領が反発するのは必至だ。米軍のシリア撤退を巡る混乱はさらに深まりそうだ。

 トランプ氏は、20マイル(約32キロ・メートル)の安全地帯を設けることも提案したが、具体的な場所は不明だ。米議会や国防総省内では、米軍撤退は、イスラム過激派組織「イスラム国」の掃討作戦で米軍が支援してきたクルド人勢力を見捨てることにつながるとの懸念が広がっていた。

 シリアのクルド人勢力を巡っては、ボルトン大統領補佐官(国家安全保障担当)が、米軍撤退の条件にトルコがクルド人勢力を攻撃しないことを付け加えたことに対し、エルドアン氏が「深刻な過ちだ」と猛反発していた。トランプ氏が今回、クルド人勢力の保護を優先する姿勢を打ち出したことで、トルコとの調整で米軍撤退の混乱は回避できるとした自らの見通しは不透明になりそうだ。