ベネズエラのホセ・グエラ議員が29日にツイッターで放った爆弾発言が、波紋を呼んでいる。ベネズエラ中央銀行が保管する金塊20トンを搬出するため、ロシア発のボーイング777が28日にカラカス空港に着陸したという投稿だ。

  ツイートを受けてソーシャルメディアでは臆測と憤りが飛び交った。同議員はこの情報をいつ、どのように入手したのか問われたが、証拠を示していない。

  国家的な危機に瀕するベネズエラの議員がまた、注目を引こうと突拍子もない発言をしたのだろうか。恐らくそうではないだろう。グエラ議員は中央銀行の元エコノミストで、今も中銀との接触を維持する。それに、この件を直接知る関係者は29日にブルームバーグ・ニュースに対し、中銀では20トンの金が搬出に向けて区分されたと述べた。20トンの金は価値にして約8億4000万ドル(約920億円)、ベネズエラが保有する金の約20%に相当するという。この関係者は金塊について、これ以上の情報は話さなかった。

  窮乏する財政と外貨準備に米国の制裁が追い打ちをかけるベネズエラでは、求心力を失いつつあるマドゥロ大統領が国内外の金準備、推定200トンに手を付ける可能性が注目されている。ロシアと中国、さらには国債保有者に対して巨額の債務を負うベネズエラは、飢えに苦しむ国民のための食糧購入目的でもハードカレンシーを必要としている。

President Maduro Holds Televised Press Conference During Dueling Broadcasts
ベネズエラのマドゥロ大統領撮影: Carlos Becerra/Bloomberg

原題:Venezuela Has 20 Tons of Gold Ready to Ship. Address Unknown (1)(抜粋)