Border fence in Tijuana on Jan. 16.
Border fence in Tijuana on Jan. 16. Photographer: Spencer Platt/Getty Images South America

米国では、再度の政府機関閉鎖を回避するためメキシコ国境警備の予算を巡る合意が必要だが、議会にはあと数日の猶予しか残されていない。そしてトランプ大統領が5日に行う一般教書演説の内容いかんでは、その合意を目指したプロセスが一変する可能性もある。

トランプ大統領はこのところ、国境警備予算を巡る協議について時間の無駄だと繰り返し指摘している。1日には、両院合同会議での一般教書演説で自身の計画についてさらなる詳細を明らかにすると述べた。計画には、議会の承認を得ずに国境の壁建設を開始できる国家非常事態の宣言が含まれる可能性があることを示唆したが、これは政治的そして法的な緊張をはらむものだ。

政府機関には15日まで運営を継続する資金があるものの、ペロシ下院議長(民主)は、膠着(こうちゃく)状態の解消に向けた計画を巡る採決の時間を確保するためには、上下両院協議会は8日までに協議をまとめる必要があると述べている。スタッフは週末を通じて協議したが、実質的な進展は5日の党会合後になるとみられている。

先週の協議開始時点で、民主党は国境の物理的障壁のための新たな資金はないと主張。一方で共和党は壁建設のための資金57億ドル(約6270億円)を引き続き求めていた。民主党は、国境のフェンス建設については寛容な姿勢も示唆したが、トランプ氏の選挙公約の要である壁建設は拒否している。協議を進めている議員の間では、トランプ氏とペロシ氏が妥協の最大の障害との認識が広がりつつある。

一部共和党議員は、民主党は過去に新たなフェンス建設の資金を支持したことがあるとして、同党の姿勢が柔軟さに欠けると非難している。両院協議会のメンバーであるトム・グレイブス下院議員(共和、ジョージア州)は、「民主党は今になって資金は出さないと主張し、誤った方向に進んでいる」と指摘。「もし再度の政府機関閉鎖となった場合、それはナンシー・ペロシ氏の責任だ」と述べた。

トランプ氏は3日、CBSとのインタビューで「いかなる選択肢も排除しない」と言明。ペロシ氏は「駆け引きを続けてもよいが、勝つのはわれわれだ」と述べた。

原題:Trump Threatens to Bust Border Deal as Shutdown Deadline Nears(抜粋)最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中  LEARN MORE