安倍晋三首相は4日の衆院予算委員会で、毎月勤労統計調査の不正発覚を機に、政権の経済政策「アベノミクス」の成果を裏付けるとされる他の統計にも不信が広がっていることに関し「私たちが統計をいじってアベノミクスを良くしようとできるはずがない」と強調した。
安倍首相、実質賃金の再計算を検討=統計不正、経済判断の変更は否定
立憲民主党会派の小川淳也氏が不正の背景を問う中で「正しい統計を出すと表で言いながら、裏では良い数字を出せと暗に政治的圧力をかけているのではないか」などと追及したのに対し答えた。
これに関連し、立憲の長妻昭代表代行は、2015年10月の経済財政諮問会議で、麻生太郎副総理兼財務相が勤労統計で改善を求めたことが調査手法の変更につながったと主張。麻生氏は「私の発言が不適切な取り扱いのきっかけになったという記録はない。全く関係がない」と否定した。
長妻氏は、国の補助金を得ている労働政策研究・研修機構の樋口美雄理事長が厚生労働省の特別監察委員会トップを務めていることも問題視。樋口氏は「私自身、統計に長い間携わってきた。今回の問題を解明するには統計的な知識が必要ということで、正義感から受けた」と反論した。
首相は監察委の再調査に関し「事実の検証や実態の解明に関する部分は、職員の関与を極力排除した形で行われることが望ましい」と述べた。(2019/02/04-19:35)