[26日 ロイター] – 米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は26日、リスク増大や最近の軟調な経済指標は今年の底堅い米経済成長を阻害することはない見通しとしつつも、FRBは引き続き「忍耐強く」利上げに対応していくと再表明した。 

市場関係者のコメントは以下の通り。 

<ソシエテ・ジェネラル(ニューヨーク)の米国シニアエコノミスト、オマイア・シャリフ氏> 米連邦準備理事会(FRB)が少なくとも今年半ばまでに金利を動かすかどうかについて、手掛かりを示す材料はまったくなかった。手の内を明かさなかった。 

<インディペンデント・アドバイザー・アライアンスの最高投資責任者(CIO)、クリス・ザッカレリ氏> 証言そのものは、パウエル議長が非常に中立的なトーンとなるようデザインしたものだ。市場の動きを望んでいるとは思えない。 興味深いのは、忍耐強くや透明性という2つのキーワードを使い続けている点だ。米連邦準備理事会(FRB)が動かないことを示している。 
 ホワイトハウスや議会からどんな圧力を受けても、正しいことを実行しようという独立したFRBの存在は、市場にとって最も重要だ。FRBは景気のみに注意を払うべきだ。 

<クレセット・キャピタル・マネジメント(シカゴ)の最高投資責任者(CIO)、ジャック・アブリン氏> パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は市場が認識している相反する兆候に言及している。消費が上向けば経済も上向くはずで、信頼感統計の数字もその裏づけとなり得る。インフレが伸びず緩やかな成長が続く限り、FRBも動きようがないだろう。これまでFRBは次の景気後退局面に備え政策手段の確保に努めてきたが、こうした姿勢は後退しつつある。これは大きな変化と言えるが、市場はすでに織り込み済みだ。 

<リソース・アメリカのポートフォリオマネジャー、マイク・ターウィリンジャー氏> 金融市場の成長寄与度が年初よりも薄れたとのパウエル議長の発言は、FRBが金融政策を通じS&P総合500の価値を支えるという「第3の責務」を請け負ったことを示唆しているようにみえる。 
 さらに、株式市場のボラティリティーによって、FRBが様子見姿勢を維持することを強いられているのであれば、経済動向が金融市場の方向性を決めるのではなく、金融市場の動向が経済の方向性を定める構図なっていることを意味する。