統一地方選で唯一与野党が全面対決する北海道知事選(21日告示、4月7日投開票)で、出馬表明している鈴木直道前夕張市長(37)と石川知裕元衆院議員(45)は10日、札幌市で支持を訴えた。与党が推す鈴木氏は中央とのパイプが強み。これに対し野党系の石川氏は「中央依存」からの脱却を主張した。
鈴木氏は事務所開きで、人口減少などの課題について「国と道と市町村が一体となって難局を乗り越えなければならない」と指摘。石川氏を念頭に「北海道だけでやっていくという主張もあるが、あらゆる力を取り込んでいく」と述べ、中央と連携して政策実現を図っていく考えを示した。
事務所開きには、与党幹部のほか、後援会長に就いた家具販売大手ニトリホールディングスの似鳥昭雄会長らが出席。最後に安倍晋三自民党総裁(首相)からのメッセージが読み上げられた。
一方、共産党の演説会に出席した石川氏は「(自らの政策で)『北海道独立宣言』を掲げた。北海道は開拓者精神と国の支援でインフラ基盤が開発されてきたが、開拓者精神が薄れ、国への依存ばかりが強くなり始めている」と強調。自民党が菅義偉官房長官に近い鈴木氏を知事候補に選んだ過程にも触れ、「首相官邸直轄で決まったように見えた」と当てこすった。(2019/03/10-17:44)