• ガワール油田の生産能力は日量最大380万バレル-予想下回る
  • 債券目論見書でサウジの巨大油田に関する詳細が判明

それはある王国の国家秘密であり、富豪の資金源だった。あまりの重要性から、かつて米軍が武力での掌握について議論したほどだ。そして石油トレーダーにとっては、消えることのない臆測の源でもあった。

  市場はようやく実態を知ることになった。世界最大の油田、サウジアラビアのガワール油田の生産能力はほとんどの人が予想していたよりもずっと少なかった。

  サウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコは1日、約40年前の国有化以降で初めて利益を公表。同時に、保有する巨大油田を巡る秘密のベールを脱いだ。同社の債券目論見書によればガワール油田の生産能力は日量最大380万バレルで、市場で広く考えられていた500万バレル超を大きく下回った。  

  シンガポールのコンサルティング会社エナジー・アスペクツの上流部門責任者、ビレンドラ・チャウハン氏は「ガワールはサウジ最大の油田であり、驚くほど低い生産能力の数字は目論見書の中でも際立っている」と指摘した。

  米エネルギー情報局はガワール油田の生産能力について、2017年は日量580万バレルとしていた。アラムコ自体も04年に行ったプレゼンテーションで、同油田の生産能力は日量500万バレル超だとし、少なくとも10年前から同水準を維持してきたと説明していた。

  目論見書には、現在の生産能力が15年前と比較して約4分の1減っている理由を示す情報は記されていない。

原題:Saudi Aramco Reveals Sharp Output Drop at Super-Giant Oil Field(抜粋)