21日、爆発で天井が崩れたスリランカ・コロンボ近郊の教会(AFP時事)

 【ニューデリー時事】スリランカの最大都市コロンボなどにある複数のキリスト教会や高級ホテルで21日、連続的に8件の爆発があり、ロイター通信が警察の話として伝えたところによると、少なくとも207人が死亡し、450人が負傷した。日本外務省によると、複数の日本人が負傷したという情報がある。教会はイースター(復活祭)を迎え、礼拝に訪れた人でにぎわっていた。

【関連写真】スリランカの教会とホテルで爆発

 ウィクラマシンハ首相は、事件に関与した疑いで8人を拘束したと明らかにした。当局はテロ攻撃とみて、犯行の背景の解明を急いでいる。
 首相は「卑劣な攻撃を強く非難する」とツイッターに投稿。スリランカ政府は連続爆発事件を受けて、夜間外出禁止令を発出。市民には不安が広がっている。

21日、スリランカ・コロンボで爆発があった教会前で警備に当たる治安要員(AFP時事)

 警察によると、爆発は教会3カ所とホテル4カ所などで計8件発生。ホテルのうち3カ所はコロンボにある五つ星の高級ホテルで、宿泊していたとみられる外国人も巻き添えになった。

 コロンボ近郊の教会の関係者は、爆発で建物内部がめちゃめちゃに壊れ、屋根に穴が開いた様子を撮影した写真をフェイスブックに投稿。「爆弾攻撃を受けた」と訴えた。

 AFP通信によれば、警察高官は10日ほど前に「教会への自爆テロ計画に関し、外国機関から情報が寄せられた」と全国の警察関係者に警告していた。この際、スリランカで仏像の破壊に関与したとされる国内のイスラム過激派の名を挙げたが、今回の爆発との関連は不明。

 スリランカでは、キリスト教徒とイスラム教徒はそれぞれ人口の1割弱の少数派。仏教徒が約7割を占めている。仏教徒の過激派がイスラム教徒を襲撃する事件がたびたび起きているほか、ロイター通信によると、仏教徒によるキリスト教徒への脅迫、暴力事件も多発している。