久しぶりにこのテーマで書こうと思った。野党の話である。きのう立憲民主党の枝野幸男代表と国民民主党の玉木雄一郎代表が会談し、衆参同日選があった時に備えて1人区の衆議院候補を一本化することで合意した。分裂野党、久しぶりに前向きな動きだなと思って関連する記事を探していたら、この動きにケチを助ける人がいた。立憲民主党の福山幹事長である。時事通信によると「立憲民主党の福山哲郎幹事長は23日の記者会見で、国民民主党の玉木雄一郎代表が衆院選挙区での野党候補の一本化をめぐる立憲の枝野幸男代表の発言を明かしたことについて『もし玉木氏がそう言ったのなら、公党の信頼関係を損なう問題発言だ』と不快感を示した」というのだ。会談には福山幹事長も同席していた。

福山氏が怒っているのは、玉木氏が国民の代議士会で同日の枝野氏との会談について説明したこと。この中で玉木氏は「(枝野氏から)『現職にはぶつけない』との話があった」と紹介した。「もし玉木氏がそう言ったのなら、公党の信頼関係を損なう問題発言だ」と福山氏は不快感を示したのである。こういう記事をみると一般の有権者としては戸惑ってしまう。折角いい雰囲気が両党の間に芽生えようとしていると思いきや、いきなりかつての喧嘩別れの民主党に戻ってしまう。福山氏の怒りにも政治家としての“筋”はあるのだろう。だが、そんな筋は「重箱の隅掘り症候群」でしかない。やっぱりダメだ。そんな印象が強くなる。「現職にぶつけない」というのは立憲が腹に秘めた最後のカードなのだろう。それを自分の手柄のように代議士会で公にした玉木のなんと非礼なことか。これが福山氏の怒りの正体か。

この推測が的をいているとすれば、最後のカードを口にした枝野氏に福山氏の怒りは向かわないのだろうか。政治家の不思議な感情の流れだ。それはともかく、不快の根拠があまりにも小さすぎる。そんなことで君は怒っているのか、そう言いたくなる。個人的な見解として消費税の先送りとダブル選挙の可能性に触れた自民党の荻生田幹事長代行の方が、政治家の発言としては重みがある。ドングリとはいえ、野党で一強になりつつある立憲民主党である。小池知事の再選支持や安倍4選を早々とぶち上げた自民党の二階幹事長を見習えとは言わないまでも、もっとおおらかにはなれないのだろうか。福山幹事長にとどまらず立憲民主党の幹部には「重箱の隅掘り症候群」が多い気がする。針小棒大な発言、ほとほとうんざりする。