【ワシントン時事】トランプ米大統領は2日、中央銀行に当たる連邦準備制度理事会(FRB)の理事に充てる意向だった経済評論家のスティーブン・ムーア氏の指名を断念すると明らかにした。本人が辞退を申し出たという。ツイッターに投稿した。同氏の資質を問題視する声が相次ぎ、上院での承認が困難との見方が濃厚だった。

 トランプ氏は利上げを進めてきたFRBやパウエル議長を批判し、利下げと量的金融緩和を繰り返し要求。トランプ氏に同調するムーア氏と元実業家のハーマン・ケイン氏を理事に指名すると表明していたが、ケイン氏の指名も4月に断念したばかり。利下げ実現へ向け人事面でも「パウエル議長包囲網」を築くもくろみだったが、金融政策介入の戦略練り直しを迫られた格好だ。